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ボランチからCBへ転向し、最終ラインの要に。大村海心がプレミアリーグWEST首位・静岡学園を支える

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静岡学園高大村海心(3年=大阪東淀川FC)は前半にCB、後半にはボランチとして奮闘

[9.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第12節 静岡学園高 0-2 大津高 エスプラットフジスパーク]

 今季ボランチからCBへコンバートされたDFが、プレミアリーグWEST首位の静岡学園高を支えている。大村海心(3年=大阪東淀川FC)はMF登録だが、シーズン開幕後に最終ラインへ。06年早生まれのストッパーはその強度の高さやボールを扱える力、ビルドアップ力を発揮している。

 川口修監督も「後ろの方が良い。だいぶ成長した」と認めるDFは、この日もCBとして先発。「僕が中心になって前に配球していくということを意識してプレーしました」という大村は、最終ラインで安定した攻守を見せ、FW大木悠羽(2年)にスルーパスを通して決定機を演出した。

 後半にはボランチにポジションを上げ、好パスでのチャンスメークやCKから決定的なヘッドも。だが、3本のシュートを決められず、相手の厳しいチェックの中でなかなか前向きにボールを繋ぐこともできなかった。運動量も維持できず、0-2で試合終了。「CK、オレが決めるぞという気持ちだったけれど、決め切れなかった。全部決めれるような選手にならないといけない。(また、久々のボランチで感覚がなく)走るという部分が足りない」と悔しがっていた。

 チームは、大村にとって大阪東淀川FC時代のチームメートでもあるU-18日本代表FW神田奏真(3年)らけが人や体調不良者が続出。今後も大村がボランチで出場する可能性はありそうだ。この日欠けていた走る部分を見直し、CBとしてもより声、連携で抑えることを目指していく。「(CB、ボランチの)両方できたらボクの可能性も広がると思います」。チームのため、自身の将来のためにも日頃のトレーニングからこだわって力を身につける。

 インターハイの明秀日立高(茨城)戦は大会直前の体調不良の影響でベンチスタート。「気持ちの部分は絶対に誰にも負けないと」いうDFは交代出場でチームを引き締めていたが、終了間際の失点で初戦敗退の悔しさを味わった。プレミアリーグWESTは現在首位に立っているものの、主軸を欠く中でチームの踏ん張りどころ。「全勝する気持ちで選手権に繋げて選手権でも日本一を取りたい」。万能性を発揮しているDFラインのキーマンが夏の悔しさをタイトル獲得で晴らす。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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