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[MOM4408]大津DF吉本篤史(3年)_サブでシーズンスタートも先発定着。3年生CBが代表GKから「取れて良かった」先制点

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前半26分、大津高CB吉本篤史(3年=NPO法人ヴィラノーバ水俣U-15出身)が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第12節 静岡学園高 0-2 大津高 エスプラットフジスパーク]

 シーズン開幕当初はベンチスタート。全試合ベンチに入っていたものの、出番のないまま90分間を終える試合が続いていた。それでも、大津高(熊本)CB吉本篤史(3年=NPO法人ヴィラノーバ水俣U-15出身)はセカンドチームが戦うプリンスリーグ九州1部で経験を重ね、インターハイ予選から先発に定着。この日は先制点をマークし、プレミアリーグでは今季初の無失点勝利を挙げた。

 本人は「自分にはまだ課題がたくさんあって改善してやっていかないといけないなと思っています」と満足していなかったが、技巧派揃う静岡学園相手に粘り強い守備対応を見せるなど、価値のある無失点。加えて、静岡学園高のU-18日本代表GK中村圭佑主将(3年)からの1点は、非常に大きかった。

 前半26分、右FKのクリアがファーで構えていた吉本の下へ。「最初縦に行こうと思ったんですけれども、気づいたら中に行っていて…(微笑)」。その時には打つ決断をしていたという。DFがシュートコースを消しに来ていたが、思い切り良く右足シュート。DFに当たったボールは軌道を変えてゴール右隅へ吸い込まれた。

 相手GK中村は、立ち上がりから大津の選手たちを驚かせるようなプレーを連発。簡単に打っても入らないため、大津の選手たちはゴール前でより可能性の高い選択を強いられるような展開だった。その試合で這い上がってきた3年生CBが、代表GKからプレミアリーグ初ゴール。「相手の足に当たったけれどコースに行った。運が良かった。代表の選手から取れて良かったです」と微笑んでいた。

 吉本は昨年、セカンドチームでプリンスリーグ九州を経験。最終学年は先発を勝ち取るつもりだったが、いずれも自身より10cm以上大柄なCB五嶋夏生(2年)、CB柳元玲二(2年)にポジション争いで先行されていた。

 新人戦で得たチャンスを活かせず、「悔しい」サブでの新シーズンスタート。それでも、地道に努力を続け、昨年まで191cmの先輩FW小林俊瑛(現筑波大)とトレーニングしてきた経験も活かした。「この身長(175cm)でやっていくためには、それなりに工夫しないと競り合いの部分だったり、まとも競っても相手がデカければ勝てない」。セカンドチームの公式戦の中で競り勝つ力を身に着け、再び訪れたチャンスをモノにした。

 その吉本について、山城朋大監督は「2年の時からプリンス(リーグ)で安定したプレーをしていた。アイツはいつ来てもサブにも入れるし、試合にも出れる。最初の方は悔しい思いをしながら、でもいつでも良い準備してきていた」と説明する。例えベンチでも常にベストの準備。信頼が厚く、活躍中の3年生DFはさらに成長することを誓う。

「もっともっと良いFWとできるように学びながら、もっともっと活躍できるようにやっていきたい。きょう勝てたことで静学との勝点も(6へ)縮まった。追い越していくためにもっとやっていかないといけない。今シーズン初めて無失点で終われたので、そういう試合を続けて守備は徹底してゼロで抑えること。(碇)明日麻中心に攻撃は前期も点を取れているので、後ろの失点をとにかくなくすことを意識してやっていきたい」。より安定した守備を続けること。そして、白星を重ね、プレミアリーグWEST5位からさらに順位を上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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