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[NBチャンピオンシップU-16]父の教えを実践。流経大柏CBアレクサンドロ・ストヤノフが初ゴール

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前半19分、流通経済大柏高CBアレクサンドロ・ストヤノフ(1年=FCストヤノフサッカーアカデミー出身)がゴールを決め、笑顔のダッシュ

[9.16 NBチャンピオンシップ予選リーグ 流通経済大柏高 3-0 矢板中央高 時之栖うさぎ島G]

 大舞台で初ゴールを決めた。1-0の前半19分、流通経済大柏高(千葉)はCBアレクサンドロ・ストヤノフ(1年=FCストヤノフサッカーアカデミー出身)が右CKから頭でゴール。前回大会決勝で敗れている矢板中央高(栃木)戦でのゴールを「去年の決勝戦も矢板中央だったし、流経来てからも初ゴールだったので、これからの試合に繋がってくると思います」と喜んだ。

 ストヤノフは、一週間前の関東ROOKIE LEAGUE最終節(対矢板中央高)で同大会初出場。ピッチに入る前まで、「自分が入った時にどこのポジションにはいれば点を取れるのか、チームをサポートできるのかを見ていた」という。そして、初先発となったこの日、意識していたことを初ゴールに繋げた。

「前回の試合でも、(相手よりも)先に動けば点を取れるとか、チームをサポートできると考えていた。前回の試合でセットプレーとか見ていても、先に動くことで背後が空くことがあったので」。相手よりも速く動くことを意識。CKを味方選手がそらしたところに他の選手よりも速く反応し、頭でゴールへ押し込んだ。

 父は千葉や広島、岡山、ブルガリア代表でも活躍した名手、DFイリアン・ストヤノフ氏。今春、SNSの投稿で息子が選手権優勝歴を持つ千葉の名門校へ進学したことが判明し、話題となっていた。

 自立するために親元を離れたストヤノフは、「(偉大な父を持つことで)圧が掛かっていて、どうしても最初の方がプレッシャーが掛かっていた。結果が出なかった」と振り返る。だが、ここへ来て、周囲に伝わるほどの向上心でトレーニング。チャンスを掴んだ元ボランチのDFはこの日、ゴールに加えて先読みしてインターセプトする力も発揮していた。

 父から学んだことは、「常に100パーセントでトレーニングすること」だ。「とにかく練習を100パーセントでやらなければ試合で100パーセント出ないので、そこだけはどんなミスをしても良いからやり続けてくれ、そうすれば必ず結果が出るから、とにかく諦めずに最後まで」と言われてきたのだという。特別な身体能力やスキルを持っている訳では無い。それでも「常に100パーセント」、また「最後まで」を意識して続けてきたストヤノフは今回、結果に結びつけた。

 この日は1年生チームから上のカテゴリーに進んでいる選手たちが不在。チャンスを得たDFは来年、プレミアリーグやプリンスリーグで出場できるように、アピールを続ける考えだ。また、チームを支える存在になることも目標。チームメートのMF水谷啓太が「彼は練習のときからチームのムードメーカーで声を出してやってくれるのでやりやすい」と評し、本人も「試合に絡むことは少ないけれど、サポート。長友佑都さんのようにみんなのことを引っ張っていく」。ムードメーカーとしても、チームを引っ張る存在としても貴重な存在。サッカー、人間性の部分でも成長を続け、目標とする父に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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