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[NBチャンピオンシップU-16]前回王者の矢板中央は黒星発進。“赤い壁”を築き、逆転での予選リーグ突破を目指す

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矢板中央高の右SB高田翔太(1年=クマガヤSC出身)は伝統の“赤い壁”を築くことを誓う

[9.16 NBチャンピオンシップ予選リーグ 流通経済大柏高 3-0 矢板中央高 時之栖うさぎ島G]

「やっぱり矢板中央の代名詞でもある“赤い壁”というのがまだ1年生の中で作れていなくて、守備の甘さが出てしまって、相手に簡単にやらせてしまったというのがあった」

 前回大会優勝校・矢板中央高(栃木)は、0-3で黒星スタート。右SB高田翔太(1年=クマガヤSC出身)は、矢板中央伝統の堅守が発揮できなかったことを悔しがった。

 矢板中央は17年度以降の選手権で4年連続8強入り。うち3大会で3位に入っている強豪校だ。赤いユニフォームの選手たちが相手の攻撃を次々とブロック。伝統の堅守は1年時から表現され、前回のニューバランスチャンピオンシップU-16では準々決勝以降の3試合連続で1-0で勝利し、初優勝を飾っている。

 だが、この流通経済大柏高(千葉)戦は簡単にシュートを打たせてしまうなど、前半だけで3失点。選手間で意見を出し合いながら戦い、後半は無失点で終えたものの、ピンチの数は多く、悔しい敗戦に終わった。

 高田はCB毛塚颯人とともに一際身体を張った守り。加えて、クマガヤSC、矢板中央の先輩である左SB木村匠汰(現青山学院大、22年インターハイ優秀選手)のような強烈なロングスローを飛ばすなど攻守で奮闘していた。

 それでも、今回の敗戦を受け止め、成長するだけ。「クマガヤSCの名を背負って出るんだったらしっかり結果を残さないと3年間お世話になったクマSにも失礼ですし、もっと自分が練習から声を出して、チームの意識を高めて“赤い壁”をもっと早く作っていきたい。木村先輩のようなチームを勝たせられる選手、そして攻守に渡って活躍できる選手になっていきたい」と誓っていた。

 矢板中央は続く大手前高松高(香川)戦で1-1ドロー。第2節を終えて4チーム中4位だが、最終節の鵬学園高(石川)戦で勝てば、決勝トーナメント進出の可能性がある。ニューバランスチャンピオンシップU-16の前回王者として、予選リーグで姿を消す訳にはいかない。「結果を出して巻き返せるように、ディフェンディングチャンピオンなのでここから2位通過で、最後に1位をもぎ取れるようにしていきたい」と高田。チームメートたちと全員でゴールを守り、白星と決勝トーナメントへの切符を掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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