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「やるしかなかった」。尚志のU-19日本代表MF安齋悠人が警戒されている中でもドリブル突破を連発

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尚志高のU-19日本代表MF安齋悠人(3年=福島ユナイテッドU-15出身)がドリブル、シュートを連発

[9.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第15節 尚志高 1-1 市立船橋高 尚志高校第3G]

 1-1の試合後、尚志高(福島)の仲村浩二監督は「安齋がちょっと復活してくれたのが嬉しい」と感想を口にしていた。U-19日本代表MF安齋悠人(3年=福島ユナイテッドU-15出身)がJクラブのスカウトも見守る中で躍動。過去2試合は不発だったというドリブラーが、警戒されている中でも一際目立つ動きを見せた。

「(過去2試合は)自分のプレーができていなくて、チームに迷惑をかけたところがあったので、警戒されている中でもやっていかないといけない。(今日は)やるしかなかった」

 前半11分に左サイドの深い位置からドリブル、パス交換。そして、強烈な右足シュートを枠へ飛ばした。同34分には、自陣左サイドからドリブルを開始。1人、2人、3人とかわしたところでファウルによって倒された。

 この日マッチアップした市立船橋高(千葉)DF佐藤凛音(3年)は、高体連屈指の右SB。1対1、1対2で止められるシーンもゼロではなかったが、安齋はその後もゴールを強く意識したドリブルからシュートを打ち込んでいた。

 警戒されている中でもドリブルはなかなか止まらなかったが、5本のシュートはブロックされるなど無得点。1-1の後半ラストプレーでは左サイドを一気に駆け上がり、追走するDFを強引に振り切る。そして、クロスを上げ切ったが、ボールは味方選手の前方を抜けて試合終了。安齋は自分が試合を決められなかったことを悔しがっていた。

「決め切る部分が……きょう公式記録で5本も打っていたんですけれども、そこで決められないというのが……本当に正面行ったりしていたので、シュート練習は時間を取ってやっていかないといけないと思っています」

 安齋はJ1、J2の複数クラブが関心を寄せる世代屈指のドリブラー。その高速ドリブルは国際試合でも簡単には止まらない。スピード、馬力に加え、パスも得意とするなどポテンシャルは十分だが、一方でメンタル面を指摘されることが多いという。「自分はメンタルがよく『弱い』と言われているので。抜けなかった時に『自分はダメなんだな』と」。ネガティブなイメージを持ち、停滞してしまうことがある。

 だが、仲村監督から前向きな声がけをされる中、練習中も「気持ちの整理をして次に向かうように心がけています」。また、得意のドリブルも進化させている。小室雅弘コーチのアドバイスでドリブルの姿勢を意識。この日も顔を上げたドリブルで相手の足を止め、スピードで一気に抜き去るなどドリブルを使い分け、またボールの置所を工夫するなど、DFの対応を難しくしていた。

 チームはプレミアリーグEASTで暫定3位。上位勢の青森山田高や川崎F U-18との対戦を残す中、勝ち続けるためにはこの日のような活躍が必要だ。「数的不利な状況でも打開して行かなきゃチームのためにならないと思うので、そこビビったら良いところがなくなってしまうと思う」。進路も注目されるが、まずはチームのために。ポジティブに自分の武器を出し続け、ゴールと白星を尚志にもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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