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[MOM4434]尚志MF濱田昂希(3年)_終了間際の同点弾で3戦連発。注目選手たちを凌駕する活躍

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尚志高MF濱田昂希(3年=大宮アルディージャU15出身)が3試合連続ゴールの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第15節 尚志高 1-1 市立船橋高 尚志高校第3G]

 これで3戦連発、計4得点。プレミアリーグEASTで優勝争い中の尚志高(福島)で、3年生MF濱田昂希(大宮アルディージャU15出身)が躍動している。

 9月9日の大宮U-18戦は0-0の後半36分から出場し、44分に決勝ゴール。続く17日の流通経済大柏高戦は先発し、2得点をマークして2-1の勝利へ導いた。この日は再びベンチスタートとなったが、後半36分からピッチへ。そして43分にPKを獲得し、自ら決めた。

 市立船橋高戦は、左サイドで先発したU-19日本代表MF安齋悠人(3年)がドリブル突破を連発。仲村浩二監督は勝負どころでその安齋を前線へ回し、濱田を左サイドへ投入した。「安齋とあのマッチアップしていたら疲弊する。安齋と相手の右SB同時に疲弊したから。あそこでまた(ドリブラーの)濱田が出てきたらキツイと思う」と起用理由について説明。ピッチに入った直後に先制点を許したが、濱田は果敢に仕掛けて大仕事をしてのけた。

 43分、濱田は敵陣左中間でのFKから左SB白石蓮(3年)の縦パスを受けると、1対2の状況でドリブルにチャレンジ。「自分で決めるという感じで、2枚来ていたのでその間に入って行ったら足を掛けられた」。PKの判定。チームメートは2戦連発中のMFにキッカーを託し、濱田はそれに応えて右足でゴールを破った。

「緊張はあまりしなかったです。決まった瞬間は同点だったので、『もう1点行くぞ』という感じでした」と濱田。チームは勝ち切ることこそできなかったものの、この同点ゴールによって勝点1をもぎ取った。

 濱田は、安齋、U-18日本代表候補FW網代陽勇(3年)ら年代別日本代表や高校選抜の名が並ぶ尚志でも目立つアタッカー。小学生時代からFWネイマールに憧れ、ドリブル、コントロールショットを真似てきたというMFは今年、シーズン開幕当初からピッチで特長を発揮してきた。

 同じ左サイドに安齋がいることもあり、出場時間はどうしても限られ、なかなか結果を出せずにいた。それがここへ来てエース級の活躍。「自分でも何でって分からないですけれども、練習から謙虚にやることで試合で結果とかに繋がるのかなと思って、自分がスタートじゃなくても『自分が決める』と常にそういう気持ちでやっています」。仲村監督からも「自信を持って行け」と後押しされる中、自分に自信を持ってプレーしていることも結果に結びついているようだ。

 本人は、好調のきっかけとなった試合として、決勝点を決めた“古巣”・大宮U18戦を挙げる。「そこから乗っている感じがあるので、今思えばあれが大きかった」。尚志で成長した姿を大宮U18相手に披露し、そこから乗った。

 高校進学時、大宮U15からU18チーム昇格の可能性もあったようだが、「尚志へ行きたい」と福島の強豪校への進学を決断した。「自分は選手権見て、染野(唯月)さんのベスト4行った代を見て、攻撃的なサッカーに惹かれて、『自分もここでやりたいな』と思って決めました」。攻撃の質や守備面での課題はあるものの、得意のドリブルをさらに磨き続け、プレミアリーグで3戦連発と充実した日々を過ごしている。

 その濱田は、「結構、自分は大宮愛が強いです」という。大宮U15時代のチームメートで、現在トップチームで先発出場中のDF市原吏音(3年)とも連絡を取り合い、「昨日とかも、(市原から)『明日、プレミア頑張れよ』と」と互いにエールも。市原が奮闘するプロの世界、大宮トップチームでの活躍を目指し、残りの高校生活や、次のステージで成長を続ける。

 まずはシーズン終盤戦へ集中。「やっぱり、プレミア優勝と選手権では全国制覇というのを目標にやっています。自分がチームを勝たせられるような存在になりたいです」。現在、チームメートの代表選手たちを上回るような結果。ここからも活躍を続けて尚志を勝たせる。 

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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