beacon

兄よりも早く、高卒でのプロ入り。桐生一CB中野力瑠の目標は群馬での活躍と兄弟対決の実現

このエントリーをはてなブックマークに追加

桐生一高CB中野力瑠ザスパクサツ群馬での活躍、兄との兄弟対決実現を目指す

 目標だった高校からのプロ入りを実現。群馬で活躍し、兄と同じステージで戦うことを目指す。23日、ザスパクサツ群馬桐生一高(群馬)CB中野力瑠主将(3年)の24年シーズン新加入内定を発表。左右両足からの高精度フィードや守備範囲の広さ、球際での身体を張ったプレーを特長とする注目DFが、高卒でのプロ入りを果たした。

 中野の兄、DF中野就斗は桐生一の元主将。桐蔭横浜大を経て今シーズンからサンフレッチェ広島でプレーし、早くも先発に定着している。中野は「(兄は)憧れの存在。お兄ちゃんといつも勝負するけれど、高卒プロだったら…」と兄よりも4年間早くJクラブ入りしたことを喜ぶ。

「近くで努力していたのも見ていた」という兄は目標とする存在だ。雨の日でも妥協せずにランニングしたり、筋トレを続ける姿を近くで見てきた。その兄は中野のプレー動画を見てアドバイスも。中野は“兄を超えるため”高卒でのプロ入りを課せられていたという。今年に入ってJ1、J2への練習参加を経験。そして、群馬から評価を勝ち取った。

「自分はパスが得意なので、チーム(群馬)のコンセプトに合っているのかなと思うので、そこを伸ばしつつ、守備のところもまだ課題があったので、そこも含めてレベルアップしていきたい。(サポーターには、現在の自分の)ビルドアップの部分は見て欲しいですし、それだけでは足りないので、守備やキャプテンとしての振る舞いも見て欲しいです。まずザスパクサツで活躍して、レベルアップして、お兄ちゃんと兄弟対決したいですし、自分の長所を伸ばしつつ活躍をしていきたいです」と意気込んだ。

 目標は兄との兄弟対決だ。だが、群馬で成長し、活躍できるようになることが最優先。桐生一の中村裕幸監督が「あんなにほぼ40m正確にボールを届けられるやつもなかなかいない」というほどのキック精度を持つ中野だが、群馬に練習参加した際は、緊張もあって出せたこと、出せなかったことがあったという。

「(自分よりも先輩たちの)止める、蹴るがもっとレベル高くて、まだ全然できていなかった。(実感したことは)CBのビルドアップの落ち着きとか前進とロングパスの使い分けとか瞬時の判断が速くて前に運べていた」。それだけに、DF酒井崇一ら「色々な選手の強みを学べたらいい」と守備面などを学んで成長することを決意。また、中村監督は中野のポテンシャルの大きさを認めた上でより自分自身に厳しく向き合い、自力をつけることを求める。

 群馬でのプロ生活へ向けて不安と期待の両方があるという。「不安と期待が入り混じっていて。勝負の世界になるので、今以上のプレーをしないと波を作っていたら信用されないと思う」。高校を卒業するまでの残り数か月。兄が出場できなかった選手権の舞台で勝ち上がり、少しでも成長し、自信をつけてプロの世界に飛び込む。

(取材・文 吉田太郎)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP