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[プレミアリーグEAST]3年夏のコンバートも「出れるならば、そこで全力」。市立船橋FW西大和が最前線で185cmの高さと速さを発揮

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市立船橋高FW西大和(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)は前線からの守備や競り合いで奮闘

[10.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第16節 市立船橋高 3-2 川崎F U-18 千葉県フットボールセンター(人工芝)]

 ここまでプレミアリーグEASTでの出場は、1試合45分間のみ。元DFのFWが2度目の先発出場となった川崎F U-18戦で90分間を走り抜き、逆転勝ちに貢献した。

 市立船橋高(千葉)FW西大和(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)は、185cmの高さと50m走6秒ジャストのスピードの持ち主。「前で競り勝てるのは自分の持ち味」というFWは競り合いの強さでチャンスを作ることを目指して先発した。

 今夏にFWへ転向したばかり。序盤は波多秀吾監督から幾度も「西!」と名を呼ばれ、守備の行き方について指摘されていた。だが、「ボランチの人とかの声とかも聞いて、どっちを切りながら行くとか変えながらやって改善していました」。名を呼ばれる回数が減ると、前線でボールを収める部分でも奮闘。選手権予選初戦を3日後に控え、先発を大きく入れ替えたチームで貢献する動きを見せていた。

「自分は前半で交代する勢いで。前半で出し切ろう」と走った西を波多監督は後半も起用。後半開始から投入したエースFW郡司璃来(3年)とコンビを組ませた。西は隣で3得点を挙げた郡司の活躍に奮起し、抜群のスピードを活かしたプレッシングを継続。「キツかったけれど、郡司が3点も取ったので気持ちで」90分間を走り切った。

 川崎F U-18は個々の技術力が高く、警戒していても間へパスを通された。多くの時間帯でボールを保持されるなど厳しい戦いだったが、チームにとっても、西自身にとっても大きな白星。「連戦の中で相手も首位に立つくらいの強いチームで逆転勝利は良い勝利」と喜んだ。

 西は市立船橋出身のSB畑大雅(現湘南)のプレーを見て、「プレースタイルとかスピード系で似ているかなと思って」市立船橋へ進学。高さ、潰しの強さも持ち味のDFは新チーム結成当初、CBのレギュラー候補だった。だが、怪我もあり、出遅れてしまう。さらに繋ぐことを重視するチームの中で出番をなかなか得られなかった。

 その中でFW転向となったが、「出れるならばそこで全力でやろうと」とトレーニング。CBの経験も活かしながらプレーし、チャンスを得た。波多監督は「高さも能力もあるので前に置いた方が貢献できるかな、ちゃんと使って経験積んでいけば面白くなっていくかなと。今日はかなり気持ちも入って、起点になって前を向いたりやってくれていた」と評価。この日のようなプレー、メンタリティーを継続して発揮することを期待する。

 特長を持つFWが、選手権予選も出場チャンスを得る可能性は十分。西は「選手権は優勝したい。(個人としても、)積み重ねているのが今出ているのがあるので、選手権で結果を残せたらいい。困った時に前に自分がいるので、みんなに信頼されてどんどん使ってもらえれば。(今日は無得点だったので、)自分の持ち味を出して決めれたら良い」。最終学年の夏にコンバート。そこからチャンスを掴んだ西が、市立船橋の千葉制覇、日本一の力になる。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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