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[MOM4468]市立船橋FW郡司璃来(3年)_清水内定の「スーパーエース」。後半のみの出場で川崎F U-18沈める3発!!

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後半34分、市立船橋高FW郡司璃来(3年=JSC CHIBA出身)が右足で同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第16節 市立船橋高 3-2 川崎F U-18 千葉県フットボールセンター(人工芝)]

 清水内定のエースが、文字通り「スーパー」な活躍。後半45分間のみの出場で3得点をマークし、逆転勝ちへ導いた。

 選手権千葉県予選初戦を2日後に控える市立船橋高はこの日、前節から先発6人を入れ替え。怪我を抱えるU-18日本代表FW郡司璃来(3年=JSC CHIBA出身)もベンチスタートとなった。

 チームは前半、川崎F U-18の強さと巧さに良く食らいついていたものの、2点ビハインド。それでも、後半開始から出場した郡司は、「出るからには絶対に結果を残さなければいけなかったので、絶対に自分が決めてやろうと思っていました」。その言葉通りにゴールで試合の流れを一変させた。

 まずは後半14分、郡司はMF太田隼剛主将(3年)の左FKに反応。DFにブロックされていたが、「DFが流そうとしていたので、足伸ばして当ててやろうと思って上手く当たった。たまたまでした」という右足シュート。これがGKの届かないコースへ飛び、1点差となった。

 このゴールでチームは加速。前からボールを奪いに行き、攻撃に結びつける回数を増やす。そして34分、相手のカウンター攻撃を止めると、CB宮川瑛光(3年)がスルーパス。郡司は抜け出しから右足シュートをゴール左へ突き刺した。

「昌平戦であれを外したシーンがあって、それがよぎったんですけれども、『GKを見ろ』とGKコーチから言われていたので、それで落ち着いて決めれたかなという感じです」

 さらにその3分後、右スローインから郡司はPA侵入を図るが、DFに身体を入れられてしまう。DFは郡司をブロックし、GKがボールを処理しようとしていた。だが、郡司はわずかにできた隙を見逃さない。DFに背負われたまま、タイミング良く右足を伸ばしてシュート。「GKが出ていたので、足出したら入るなと足を出した感じですね」。ボールは前に出たGKの指先を抜けてゴールへ吸い込まれ、決勝点となった。

 10月12日に24年シーズンからの清水新加入が内定。抜群のスピードを活かした抜け出し、テクニック、フィジカル能力の高さも特長とするストライカーは、攻守両面で異質の感覚を持っている。

 この日の1点目、3点目はいずれもDFにブロックされた状態で、抜け目なくゴールを狙って決めたファインゴール。「足を出せば行ける、とかそん時によぎる。行動に移すことで、こういう結果になったことが結構あります」。この日は守備面でも独特の感覚で間合いを詰め、相手ボールを引っ掛けていた。

 波多秀吾監督は「なかなか教えられるものではないので。センス、勘というか。前から追うのも、DFにとって嫌なタイミングで追ったりするのは彼の持ち味かなと」。戦術とは異なるところで発揮される異質の個性。「市船に来てからついたと思います」という守備力と、得点感覚を結果に結びつけ、強豪撃破の立て役者になった。

 清水入りが発表された後も平常心で普段通りのプレー。「決まって結構見られるかもしれないけれど、しっかり点を取るのが自分の仕事だと思うので、意識して自分のプレーが何も出せないというのはダメだと思うので、そういうのは気にしないようにしています」。名門校のスーパーエースは、3日後にスタートする選手権予選も「やることは変わらない」。チームメートとともにひたむきに勝利を目指し、自身と市船の力を見せつける。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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