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離脱中も青森山田のために声を発し、自身も成長して復帰。プレミアEAST優勝懸けた戦いで右SB小林拓斗がヘディング弾

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前半42分、青森山田高は右SB小林拓斗(3年=青森山田中出身、2番)が追加点

[12.3 高円宮杯プレミアリーグEAST第22節 FC東京U-18 0-2 青森山田高 東京ガス武蔵野苑多目的G]

 特別目立つような活躍をしてきた訳では無い。だが、チームリーダーの一人として声を発し、実直に自分のプレーを続けてきた。その右SB小林拓斗(3年=青森山田中出身)が優勝を懸けた最終節でヘディング弾。貴重なゴールでも青森山田高の勝利とプレミアリーグEAST優勝に貢献してみせた。

 1-0の前半42分、青森山田は左ショートコーナーからMF芝田玲(3年)がクロス。これをニアの小林が頭でファーサイドのゴールネットへ流し込んだ。「自分の役割がしっかりとできましたし、良い形で点に繋がって良かったです」。この日は、ともに“黒子役”に徹して青森山田を支えてきたMF福島健太(3年)と小林がゴール。彼らの活躍を正木昌宣監督も喜んだ。

「(小林)拓斗も怪我して出れない時期がありましたけれども、逆にチームのために声を出してやるような子なので、この2人のゴールは多分、みんなが嬉しかったと思うんですよね」

 小林は今季、主力右SBとして先発出場を続けてきた。攻め上がりを特長とするSBは、右サイドからのクロスでアシストも連発。だが、10月1日の大宮U-18戦で左肩を亜脱臼し、無念の離脱となった。それでも、「そこでもっと自分のウィークポイントに目を向けて何がダメだったのかしっかりと反省した中で、(11月19日の)前橋育英戦で久々に先発の時にそれをしっかりと発揮できたなと思うので、良くなって帰って来れたと思っています」。先発の座を取り戻し、この日は無失点勝利で優勝を果たした。

 ただし、本人はまだまだ課題改善を求める。試合後には会場を訪れた黒田剛前監督(現町田監督)から攻め上がった際の守備対応の仕方について助言を受けていた。「黒田さんに聞きながら、色々と教えて下さったので改善できそうですね。ファイナルへ向けてしっかりと修正していけたらなと思っています」。またチームに対する声についても、もっとできると考えている。

「自分は後ろからしっかりとピッチ全体が見える場所なので、その中でしっかりと全員に良い声掛けだったり、叱責だったりを自分はもっと増やしていかないといけないと思っていますし、チームの雰囲気を良くすることが自分の良さだと思っているので、そこをもっと出していきたいと思っています」。青森山田中高6年目。プレミアリーグEAST優勝を喜んだが、まだまだチームとともに成長を続け、プレミアリーグファイナルと選手権のタイトルを勝ち取る。


(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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