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天皇杯で2発のFW出間思努が札幌U-18ラストゲームでゴール。プロの世界で「結果を出せるように準備していく」

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北海道コンサドーレ札幌U-18FW出間思努(9番)は先制ゴールを決めた

[12.8 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 岡山U-18 3-1 札幌U-18 広島広域公園第一球技場]

 8日、高円宮杯U-18プレミアリーグプレーオフ1回戦。広島広域公園第一球技場で行われたファジアーノ岡山U-18と北海道コンサドーレ札幌U-18の試合は、3-1で前者に軍配が上がった。

 全体的には岡山が主導権を握った試合だったが、先制弾は札幌。前半18分、こぼれ球に鋭く反応したFW出間思努(3年)の利き足とは逆の右足でゴールネットを揺らし、試合を動かした。来季トップチーム昇格も決まっているストライカーの点取り屋らしい一発だった。

 出間にとってアカデミーの選手としてプレーする最後のシーズンとなった今季は何とも激動の1年だった。

 小学生時代からコンサドーレ札幌のユニフォームを着てFWとして活躍し、抜群の運動能力とゴールセンスを買われて将来を嘱望されてきた。高校年代では壁にぶつかっていた時期もあったが、「練習への取り組み方、トレーニングの仕方が変わってきた」(森下仁之監督)ことで2年生の後半から開花した。

 今年初めに帯同したトップチームでのキャンプで評価を一気に高めると、3月のルヴァン杯でトップチームデビュー。磐田戦で“幻のゴール”を記録して話題になると、7月には天皇杯3回戦のヴェルスパ大分戦で途中出場から2ゴール。本人も今季で一番の思い出に挙げる印象的な試合となった。

 そんなトップチームでの活躍を受けてさらなる飛躍も期待されたが、その後に練習中に足首を捻ってしまい、負傷離脱。復帰したのはプレーオフの少し前という状態だった。ただ、「コンディションが悪かったのでは」という質問はキッパリと否定。そこを言い訳にするつもりは毛頭ないという態度に、プロとして生きていく覚悟も見えた。

 トップチームのレベルは肌感覚として理解している。オフでは負傷した体のケアに加え、「体の強化」、特に下半身の強化を課題に挙げる。今年1年で体重も増やしたが、「もう少し増やしたい」と意欲的だ。

 プロの世界でストライカーの生き残る道は、限られたチャンスで結果を残すこと以外にないことはもちろん、わかっている。「チャンスが来たときに結果を出せるように準備していく」のみ。アカデミーでの日々は終わったが、出間の冒険はここからが本番だ。

(取材・文 川端暁彦)


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川端暁彦
Text by 川端暁彦

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