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岡山U-18がプレミア初参入!「ゴールではない。ここからが大切」京都U-18を1-0で下す

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[12.10 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 岡山U-18 1-0 京都U-18 エディオンスタジアム広島]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024に参入する権利をかけたプレミアプレーオフは10日に2回戦を実施。ファジアーノ岡山U-18(中国1/岡山)が京都サンガF.C.U-18(関西1/京都)を、前半15分に奪ったMF楢﨑光成(3年)の得点を守り切って1—0で勝利し、初のプレミアリーグ参入を決めた。

 U-18カテゴリー発足は2011年と他のJクラブと比べて後発だが、今夏の日本クラブユース選手権(U-18)では3位になるなど、着実にチームとしての歴史を積み上げてきた岡山U-18がまた一つ新たな扉を開いた。

 この日の対戦相手は、7月のクラブユース選手権グループステージで敗れた京都U-18。この時はセットプレーからDF喜多壱也(3年)にハットトリックを許したため、「セットプレーを担当しているコーチともずっと、どれが一番自分たちの良さを消さずに相手を押し返せるか話していた」(梁圭史監督)という。

 前回の対戦同様、京都U-18の売りであるFW兎澤玲大(3年)、FW吉田遥海(3年)のサイドアタックを受け、クロスを上げられたが、GK近藤陸翔(3年)が積極的にハイボールへとチャレンジ。前半2分には対角線上へのフィードから、吉田にゴール前への侵入を許しそうになったが、DF陣が身体を張ってシュートを許さない。

 ボールを奪ったMF南稜大(2年)とMF藤田成充(2年)のダブルボランチが積極的に縦に付け、MFミキ・ヴィトル(2年)の力強い仕掛けや、FW村木輝(3年)の飛び出しを引き出して行く。決定機が訪れたのは15分。「ピッチに入ったら、水を撒いている状態だった。スリッピーだったので、グラウンダーのクロスは一つチャンスになると思っていた」と振り返る指揮官の読み通りの形だった。スローインから、ミキがドリブルで前進すると、村木が右サイドからゴール前に低いクロス。ゴール前で混戦となった所を楢﨑が落ち着いて決めた。

 幸先の良いスタートを喜ぶ一方、早い時間帯に先制した難しさもあった。「気持ちが失点しないように傾いてしまった。もう少しリスクを冒して、点を奪いに行けたかなと思う」と振り返るのは主将のDF勝部陽太(3年)だ。前半のうちに前から積極的に奪いに行った分、後半はプレスの勢いがペースダウン。喜多を中心とした後ろでのボール回しから、MF尹星俊(1年)やMF安藤友敬(1年)が縦パスを入れてきた京都U-18に押し込まれたが、DF服部航大(3年)とDF川上航生(2年)のCBコンビを中心に、集中力を保った守りを続けてゴールを割らせない。

 試合終盤はパワープレーも受けたが、岡山U-18は我慢強い守備を継続。後半32分には尹のスルーパスから、兎澤にシュートを打たれたが、近藤が好セーブ。こぼれ球もDFがきっちりクリアし、1-0で逃げ切った。「ボールがボックスの中にどんどん入ってくるので、やっぱり怖かった。難しいゲームではありましたが、みんなアグレッシブにプレーしたし、耐えてくれました」(梁監督)。

 プレミア参入戦によって、先行していた他のJクラブたちとカテゴリーでは肩を並べる。毎週末、レベルの高い対戦相手と切磋琢磨することで選手の成長速度も上がっていくだろう。「選手にたちにも言ってきたのですが、プレミアに行けばもっと色んな人たちが見てくれる。その中で何ができるかというのも大切だと思う。フットボールだけでなく普段の生活も含めて、ファジアーノ岡山の価値を高める」と口にするのは梁監督だ。

 一方で「そういった所(プレミアリーグ)に進めるのは喜ばしいことだと思うのですが、ここがゴールではない。ここからが更に大切だと思います」と指揮官が引き締めた通り、プレミア昇格は新たなステージでの始まりでもある。この日の舞台を経験した下級生を中心に、来季に向けた準備を進めていく。

(取材・文 森田将義)

●高円宮杯プレミアリーグ2023特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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