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[NEW BALANCE CUP]「全国1位しか考えていない」。全国2位経験も3年生の力の大きさを実感した桐光学園FW丸茂晴翔、24年は自分が牽引役に

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桐光学園高FW丸茂晴翔(2年=横須賀シーガルズFC出身)が前線でボールキープ

[1.5 NEW BALANCE CUP準々決勝 桐光学園高 1-4 山梨学院高 時之栖裾野G]

「このチームに入ったのも全国優勝したいという気持ちが強くて、全国優勝するためにこのチームに来たので、全国1位しか考えていないので、そこに向かって一つずつ勝っていきたい」

 桐光学園高(神奈川)のFW丸茂晴翔(2年=横須賀シーガルズFC出身)が、24年シーズンに日本一を勝ち取ることを誓った。丸茂はレギュラーとして23年のインターハイ準優勝を経験。新チームのエース候補は、「NEW BALANCE CUP 2024 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権) 準々決勝敗退後、目標達成のために個人として、チームとしてまだまだ力を重ねていくことの必要性を口にしていた。

 山梨学院高(山梨)戦は前半半ばまで桐光学園ペース。U-17日本高校選抜DF青谷舜(2年)が高さを発揮したほか、右WB武山陽介(1年)やMF湯藤翔太(2年)らが良い形でボールを奪って攻撃に結びつける。

 そして、前線で強さを発揮する丸茂やMF吉田晃大(2年)らが山梨学院の厳しいチェックの中でもボールを動かし、空いたスペースを的確に活用してクロス、シュートへと持ち込んだ。新チームの力を攻守で表現していたが、流れが良い中、寄せの甘さやミスを突かれて失点。0-2で前半を折り返すと、後半もリスクを掛けて攻めた背後を狙われるなど、失点を重ねて1-4で敗れた。

 桐光学園にとって失点しないことは絶対的な約束事。それだけに、丸茂は「耐える時間帯はしっかり耐えないといけない。失点はまずは無しで守るというチームなので、しっかり守備から入って、失点を減らしていかないと今後勝っていけない」と指摘する。また、決め切るべきところで決め切なければ、勝ち上がれないことを再確認していた。

 その丸茂は、U-18日本代表MF松田悠世や水戸内定MF齋藤俊輔ら3年生の存在の大きさも実感しているという。「去年はずっと試合に出してもらったんですけれども、裏選手権とか試合をやってみて、去年自分が点を取れたのは3年生が良いパスをしてくれていたんだなとつくづく感じました」と口にする。

 この試合を含めて攻撃を牽引しているものの、「全然シュートも打てていないので。去年は簡単にボールが入ってきて、自分の得意なプレーを3年生が引き出してくれていたけれど、今年は自分の力を高めていかないと去年みたいに上手くいかない。この大会で良いプレーも全然あって自信のつくところもありましたけれども、去年の3年生に支えられていたんだなと思います」。インターハイ予選決勝(対日大藤沢高)でのハットトリックやプリンスリーグ関東2部での活躍は3年生の力だったことを認めていた。

 だからこそ、今年は全国決勝などを経験した自分がチームを勝たせる存在にならなければならない。「今日のゲームとかトーナメント戦は前から入れて行こうという感じなので自分がターゲットになっていかないといけないと思うし、去年から出ていた分、今年は自分がストライカーにならないといけないと思うので、自分が点を決めてチームを勝たせていく存在になっていこうと思っています」と力を込める。

 丸茂のフィジカル面や推進力は魅力。得意とする前線でのキープやターンしてからのシュートをさらに磨き、ゴールやチャンスメーク、守備の部分でもチームを引っ張る考えだ。そして、昨年の経験を少しでもチームメートと共有すること。「選手権は県で負けてしまいましたし、インターハイも2位でめっちゃ悔しい。まだまだこんなレベルじゃ県でも突破できるか分からないですし、チームのレベル、質をどんどん上げていかないと全国では活躍できないと思うので、日頃の練習やこういう一個一個の試合からチームに伝えていきたい」。目標は全国制覇。1年後の選手権で輝くために日常からチームメートとともに高め合う。

(取材・文 吉田太郎)

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