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[新人戦]新生・大津は自分たちの力を発揮し、九州準V。課題を突き詰めてプレミア開幕へ

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大津高は九州大会準優勝。1年生CB村上慶らが新たな力をとなり、チームのポテンシャルを示した

[2.20九州高校新人大会決勝 神村学園高 1-0 大津高 白波スタ]

「自分たちのプレーをどれだけ大会通して発揮できるか、ってことは厳しく言ってたんで。それをほとんどの試合ではやれてたかなとは思いますけど、結局は最後のところを決め切ったり、守り切ったりっていうところが(足りない)。得点はまだまだ取れましたし、失点ももう半分以下に落とせるぐらいの内容だとは思うんで、その辺は4月までに詰めていきたいなと思います」。決勝で神村学園高(鹿児島2)に惜敗したものの、大津高(熊本1)の山城朋大監督は計6試合を戦った九州高校新人大会について、前向きに捉えていた。

 決勝は大会を通してハイパフォーマンスを続けたU-17日本高校選抜候補の10番MF嶋本悠大(2年)やテンポを上げながらゲームメークしたMF畑拓海(2年)を中心に神村学園以上にチャンスを作っていた印象だ。

 だが、決める力が不足。新エースストライカーのFW山下景司(2年)はチャンスメークや守備面でも奮闘していたが、ゴール前のシーンでDFに半歩、一歩遅れてしまうなどゴールを奪うことができなかった。ただし、得点嗅覚や一歩の速さも特長とするストライカー。嶋本や努力のFW岩本翔大(2年)らとともに、ここから連係を深めてゴール量産を目指す。
 
 この日唯一の失点は、好守を連発していたCB村上慶(1年)が入れ替わられてからのピンチを決められたモノ。だが、山城監督は「ああやって入れ替わられてやられるシーンはまだあるんですけど。でも、それは五嶋もそうですけど、これからのキャリアを上げるためには、やっぱりやっていかなきゃいけない。あそこで引いて守ってもやっぱり成長しないんで。そういう意味では(わずかな隙を見せるとチャンスを作ってくる)いいチームといい試合が大会通してできたかなと思います」。村上、CB五嶋夏生主将(2年)にはリスク承知で前に出ることを要求。2人は決勝を含めて守備範囲広く、また出力も高い守りを発揮し続けた。

 190cmのサイズを持つ五嶋は高体連トップクラスのストッパー。加えて、昨夏のインターハイで先発を経験している村上も今後が楽しみなDFだ。山城監督は村上について、「やっぱり賢いですよね。サッカーセンスがあると。ボールの取り方を知ってるから、賢く、力を抜けて取ることができる。一生懸命頑張ってぶつかり合って奪うっていうよりは、一回ぶつけて相手の隙間作って奪うとか、そういうのが自分でできるやつです」と評価した。

 五嶋と嶋本をはじめ、GK坊野雄大(2年)、左SB大神優斗(2年)、MF兼松将(2年)、山下と6人が選手権で先発を経験。彼らに加え、新たな力も台頭する新生・大津は九州大会で6試合で17得点(6失点)をマークし、準優勝で終えた。ポテンシャルを示したチームは、今大会不在だったFW柳元玲二(2年)やMF南平晴翔(2年)、DF末松煌生(2年)らと競争しながらチーム力を高め、目標の全国制覇に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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