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[MOM4643]東山FW山下ハル(2年)_近畿決勝で3発もプレー内容を反省。「もっとチームに良い影響を」

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東山高FW山下ハルが近畿決勝で3発。前半35分には右足でこの試合2得点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.20近畿高校選手権決勝 東山高 6-1 近大新宮高 紀三井寺公園陸上競技場]

 近畿大会決勝で3得点。東山高(京都1)の10番FW山下ハル(2年=Vervento京都出身)がインパクト十分の活躍でチームを近畿王者へ導いた。

 まずは試合開始直後に先制点。「どんなボールがこぼれて来てもいいような準備をしていた。いい形でボールがこぼれてきたので、しっかり落ち着いて決めることができた」と右足でゴールを破った。

 さらに2-0の前半35分に2点目のゴール。左サイドでボールを持つと、中へ切り返して右足を振り抜く。「最初、(ドリブルで)仕掛けようとしたんですけど、(DFが)2枚来てたんで、ちょっとマイナスで切り返して。もうシュート打つって決めてたんで、思い切って練習通りの形が出たと思います」。コントロールショットで鮮やかに決めて見せた。

 山下はU-17関西トレセンメンバーの実力派だが、この日午前の準決勝は出番なし。ポジションを争うFW小西凌介(2年)とFW吉田航太朗(2年)の2トップが前線で奮闘する姿を見つめるしかなかった。「アップしてて『早よ出たいな』と思ってましたけど、そこはチームのためなんで。決勝でその気持ちも大事なんですけど、チームのためにやれることをまずして」と臨み、前半だけで2得点を挙げた。

 そして、後半9分、ドリブルでボールを運んだ左SB沖村大也(2年)とアイコンタクト。「目が合った瞬間にパッと動き出して、良い形でトラップからシュートまでいけた」という山下は、抜け出しからの右足シュートでハットトリックを達成した。
 
 結果を残した山下だったが、試合後は第一声から反省の弁。「良い部分ももちろんあったんですけど、全然自分の中では納得してなくて、自分の仕事はまず前でしっかり時間作って、攻撃の起点になるってところなんで。その部分だとミスの方が多かったので、これからしっかりそこを改善して、もっとチームに良い影響を与えるようなプレーをしていきたい」と引き締めていた。

 自分の役割は攻撃の起点になるところ。U-17関西トレセンでは大学生との練習試合でもボールを失わずに攻撃の起点となり、シュートまで持ち込んでいた。「下半身の強さ、キープ力に自信があるので。だけど、そこから味方を使うのか、自分で行くのかっていうところの判断がまだまだ未熟なんで、そこがこれからまた成長してきたら、もうワンステップ上がれるんかなと思います」。ピッチ内外で「チーム引っ張っていくって意味で、もう死ぬほど声出してやってます」というFWは、より自分の特長を磨き、チームの勝利に貢献する意気込みだ。

 元々はボランチの選手で、MF真田蓮司(現関西大、22年度選手権準優勝メンバー、23年日本高校選抜)らに憧れて東山へ進学した。だが、コンバートでFWへ。昨夏、福重良一監督から守備の課題を指摘され、ハードワークして相手にロングボールを蹴らせないことや前線でボールを収めて時間を作る部分を改善してきた。

 吉田や小西とのFW競争でまた成長していることを実感。大舞台で活躍できる選手になってきている。ただし、満足することはない。今回の近畿大会で出た課題、甘さをまた改善し、レベルアップするだけだ。そして、「もっと良いFWに、 チームのためにやれるFWになりたいです」と宣言。目標の日本一を達成するために、東山の最前線でより走り、戦い、ゴールを決める。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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