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U-16の強豪対決で失わない力を発揮した162cmMF舘美駿(修徳中)。DFの足を止め、アウトサイドでのスルーパスで同点アシスト

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U-16東京都選抜のMF舘美駿(修徳中3年)は絶妙なスルーパスで同点アシスト

[3.3 ヤングサッカーフェスティバル U-16静岡県選抜 3-1 U-16東京都選抜 草薙陸]

 162cm、50kgの小柄なMFが、U-16の強豪対決で一際光る動きを見せた。U-16東京都選抜のMF舘美駿(修徳中3年)は立ち上がりに敵陣PAへ鋭く潜り込んでラストパス。また、「狭いところでボール失わなかったり、間にパス入れたりっていうのは自信持っています。今日は相手が結構前から来てたんで、そこ剥がせればチャンスになるんかなと思ったので、そういうところは意識しました」という武器を中盤中央で発揮していた。

 本人はボールに触れる回数を十分に増やせなかったことを反省していた。だが、ボールを持った際には寄せて来るDFを剥がして前進し、課題だというキックでも抜け出した味方SBの前方へ絶妙なミドルパス。やや距離の長いパスも正確に繋ぐなど、特に1点を追う後半は東京選抜の攻撃の中心になっていた。小野貴裕監督(関東一高)らスタッフが「静かなんですけど、 ゲームで利いている」と驚くパフォーマンスをこの日も継続。その舘美は、見事なスルーパスで同点ゴールも演出した。

 後半18分、舘美は右サイドで相手の小さなクリアを拾うと、上体の動きで相手DFの足を止めてマークを外し、中へドリブル。そして、追走してきたDFがタックルに来た瞬間、右足アウトサイドでPAへスルーパスを通す。これをFW山田将弘(東京Vユース)が右足ダイレクトでゴールに叩き込んだ。

 ビッグプレーで1点をもたらした舘美は、「FWの山田君が走ってたのが見えたんで、出せば決めてくれるかなと思ったんで、裏も空いてたんで出して、入りました」と微笑。試合には敗れたものの、FC東京や東京VなどJクラブ育成組織中心のメンバーの中で、中体連のMFが特に光る動きを見せた。

 その舘美は、この日出ていた課題について自己分析。「もうちょいビビらずに間で受けたりして散らしていくっていうのが。今日、いつもより何か少なかったんで、そういうところはもっといつも通りやれればいい。受けた時はいいんですけど、受けるまでの位置とかが悪いんで、そういうところを工夫していけばいいと思います」。また、勘の良い守備を見せていたが、強度も高めなければならない。それらを向上させ、選抜チームや進学する修徳高でより活躍することを目指す。

 中学2年時の全国中学校大会で修徳中は8強入りし、舘美は2年生で唯一、大会優秀選手に選出されている。目標の選手はMFイニエスタ。「イニエスタ選手みたいに、ボール失わないで、ボールを前進させたりして、チャンスメイクできるような選手になりたいです」。将来の目標はプロになること。高校3年間で貪欲に自分を磨き、目指す姿に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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