beacon

[選手権]東京勢、5年ぶりのW勝利!修徳が鳴門に完封勝ち

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.31 全国高校選手権1回戦 修徳2-0鳴門 駒沢]

 第91回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦15試合を行い、駒沢陸上競技場の第1試合では修徳(東京A)が鳴門(徳島)に2-0で勝った。00年度以来12年ぶりの初戦突破を果たした修徳は、13年1月2日の2回戦で青森山田(青森)と対戦する。

「次は勝って、岩本先生を喜ばせたいと思っていた」。MF野澤克之主将(3年)はそう振り返っていたが、今夏、19年ぶりに出場した全国高校総体では1回戦敗退していた修徳が、前日の国立開幕戦を制した実践学園(東京B)に続く東京勢勝利で監督就任2年目で初めて全国選手権に挑戦する岩本慎二郎監督に1勝をプレゼント。指揮官は「(監督のためにというのは)取材用だろ、と言っているんです」と微笑んでいたが、12年ぶりの1勝、そして「昨日、実践がああいう試合を勝ってくれたのでボクも嬉しかったし、それに続けて良かったと思います」と5年ぶりとなる東京勢の初戦アベック勝利も喜んでいた。

 修徳が7年ぶり、鳴門が6年ぶりとなる選手権の全国舞台。ともに守備に重きを置いて戦う両チームの一戦は、修徳が主導権を握って攻める。本来は高速カウンターが武器の修徳。この日は慣れないポゼッションから攻撃することになったが、岩本監督が「回せるんですよ。デキる子はいる」というチームは落ち着いてボールをつないで攻めていく。中盤でセカンドボールを拾うMF久保祐貴(2年)と、非常に余裕を持ってボールを捌いていたMF城ヶ瀧大地(3年)のダブルボランチを中心に完全にボールを支配。前半11分にはMF本橋瑞基(3年)の右CKから城ヶ瀧が決定的なヘディングシュートを放ち、12分には左ショートコーナーからMF大塚竜太(3年)のヒールパスでのリターンを受けた本橋が中央へ決定的なラストパスを送る。

 ただ、鳴門の1年生GK安永龍平の好反応に阻まれるなどなかなか先制することができない。修徳は23分にも右クロスのこぼれ球を野澤が右足で叩き、35分には得意の高速カウンターから大塚、本橋とつなぎ、最後は野澤がゴール正面から右足を振りぬくが、シュートはGK正面をついた。一方、対人での強さを発揮するCB松浦一樹(2年)とCB宮本智法(3年)中心に守る鳴門はFW宮井智史(2年)が前線でボールを収め、MF山口博也(2年)のセットプレーなどでゴールを狙うが、相手の守りを崩すことができない。

 決定機をつくるものの、決めきれずに苦しんでいた修徳だが後半13分に試合を動かす。右サイドからのスルーパスで抜け出したレフティーの本橋が「当たって良かったです。(右足でのゴールは)記憶に無いです」という右足で先制ゴールを突き刺した。指揮官が「ウチで一番上手い」という背番号14の強烈な一撃。待望の先制点を奪った修徳はその後も大塚のヒールパスからSB井上照輝(3年)が抜け出すなどビッグチャンスをつくる。一方、鳴門はFW林壮太(2年)が強引なドリブルで左サイドを打開する場面もあったが、集中した守りを見せる修徳守備陣中心にの前にゴールへ近づくことができなかった。

 城ヶ瀧が「最後まであきらめないのが修徳の持ち味」という修徳は、終盤も集中力が途切れない。相手の反撃を完璧に封じると、試合終了間際の後半40分、交代出場のFW田上真伍(2年)の右CKから最後はゴール前でFW小野寺和也(3年)がコースを変えて追加点。2-0で初戦突破を果たした。

 前日、実践学園の勝利に刺激を受けていたという野澤は「東京都代表として自分たちも、と思っていた。実践と決勝で戦いたい」。修徳は2回戦で優勝候補の青森山田と対戦する。この日、予想以上にボールを支配することになりながらもポゼッションスタイルで快勝した修徳が2回戦では、本来の高速カウンターも駆使してV候補突破を目指す。

[写真]修徳は本橋(左)の決勝ゴールで初戦突破

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2012

TOP