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2ゴールで逆転勝利を呼んだ横浜FM藤田「練習の成果が出て良かった」

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[3.30 J1第4節 横浜FM3-2F東京 日産ス]

 ゴールを欲していた男の顔に、笑顔が広がった。今シーズン、横浜F・マリノスに加入したFW藤田祥史は、2ゴールを挙げる活躍を見せ、チームを開幕4連勝に導いた。今シーズン、早くも5得点を挙げて得点王争いのトップを走るFWマルキーニョスが不在の中で、結果を残した藤田は「まず勝つことができて良かった」と、表情を緩めた。

 後半24分に、DF天野貴史のクロスにヘッドで合わせ、移籍後初得点をマーク。さらに2-2で迎えた後半44分には、最終ラインの裏でMF兵藤慎剛からのパスを受け、左足でシュート。ボールは左ポストを叩き、ゴールの中へと入って行った。試合後、樋口靖陽監督は、藤田の能力と努力を称えた。「ゴール前での得点感覚、シュートの上手さは、非常に高いものがあると思っていました。(チーム)2点目の天野のクロスからのヘディングシュートは、練習後のフリーのトレーニングでイヤというほどやっていました。3点目のシュートも、1日30本、40本、やり過ぎというほどやっていました。あらためて、トレーニングはウソをつかないという結果を出してくれて、喜んでいます」。

 指揮官の言葉を伝え聞いた藤田は「練習の成果が出て良かった。居残り練習に協力してくれたコーチ、GKも喜んでくれていた。これからもしっかり続けて、試合に出られるように、また決められるように頑張りたい」と、更なる成長を誓った。

 横浜FM加入後、ゴールのなかった藤田だが「ここまで出場機会も少なかったですし、それほど焦っていませんでした」と明かす。リーグ戦で初めてスタメン出場したこの試合で意識していたのは、自分のプレーを出すことだった。「(マルキーニョスが不在と)周囲に言われるのは、仕方がないこと。でも、別にそこまでは意識していない。自分のプレーをしようと思っていました。90分プレーして、しっかり楽しみたいと思っていました」と振り返る。

 その言葉通り、最終ラインの背後を狙ったフリーランニングを繰り返し、前線を幅広く動いてボールを収めようとした。2ゴールを挙げた和製ストライカーをMF中村俊輔は、得点以外の部分で評価する。「(マルキーニョスとは)タイプは違うけれど、(ボールが)収まってやりやすい。プレーが分かりやすいから、周りが合わせやすい」と、攻撃の基準点となったFWを評価した。

 もちろん、藤田自身も大きな手ごたえをつかんでいる。「やっぱりFWなので、周りも(点を取ったことで)評価してくれる。もっとパスも来ると思うし、自分自身も少し余裕が出てくると思う。でも、続けないと意味がないので浮かれることなく、次の試合に向けて準備したい」と、更なる飛躍への決意を口にした。

(取材・文 河合拓)

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