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今季リーグ戦初黒星のC大阪FW柿谷「僕自身の力のなさを、あらためて感じた」

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[4.6 J1第5節 鹿島1-0C大阪 カシマ]

 この日のセレッソ大阪の敗因は、分かりやすいもののように思えた。一つの致命的なミスが失点につながり、そのまま0-1で敗れた。だが、FW柿谷曜一朗は、その考え方をキッパリと否定した。「あのミスがなかったらと考えるのではなく、それを僕たちが取り返してあげられなかった」と、自身を含めた攻撃陣がノーゴールに抑えられたことを、この日の敗因に挙げた。

 今シーズン、FWとしてプレーしている柿谷は、5試合で3得点を挙げる活躍を見せている。辛口のレヴィー・クルピ監督も「攻撃に関しては、曜一朗だけが、そこそこの数字を出している」と、一定の評価を与えている。だが、自身は「点を取ることが僕の仕事やし、チームにタイトルを獲らすための使命やと思ってやっている。それが出来なかったことは、ただただ『恥ずかしい』の一言」と、辛辣だ。

 前半36分にはGKキム・ジンヒョンのフィードを受け、すぐに1タッチでシュートに持ち込み、高い技術と豊かなアイディアを見せつけて、攻撃をけん引していた。それでも「後半、不本意な感じで失点して、チームとして乱れてしまった。ああいう中でもしっかりと追い付ければ、逆転まで持って行けたと思う。いま、振り返って喋っていると落ち着いていますが、失点した時は『ああ、失点した』とみんなが落ち込んでしまった。前線の選手がゴールを決めて『大丈夫、大丈夫』と言ってあげることが励ましやと思う。それができなかった僕らの責任だと思います」と、味方のミスをカバーできなかったことに、歯がゆさを募らせた。

 終盤はチャンスをつくれなかったが、焦りがあったことを認める。

「チームとして(戦い方を)徹底できれば良かった。つなぐのか、(杉本)健勇の頭にあわせるのか、はっきりできなかった部分もあった。チームとしてやるべきことをやれば、絶対に同点に追いつくことができると思う。その上で、しっかりと決めるところで決めて、チームに貢献することが大事。僕ら前の選手の力のなさもそうですけど、僕自身の力のなさを、今日はあらためて感じました」。

 それでも敗戦を引きずっている時間は、ない。10日には、ナビスコ杯のFC東京戦が控えている。「今日の試合で、勢いだけではいけないっていうことも感じました。ただ、僕らは勢いもあるけれど、若いぶん、立ち直るのも早い。バスに乗って、帰る途中には、切り替わっている。どれだけ引っ張っても水曜日は試合。今年はホームで負けないって決めているし、次はナビスコ杯ですけど、僕らにとっては大事なタイトルへの道。新潟戦に負けてしまって、ちょっと危うい順位に来てしまったんで、しっかり勝てるように準備をしたいと思います」と、気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

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