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J初得点の新潟FW鈴木武蔵「レギュラーを蹴落とす気持ちでやっています」

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[5.25 J1第13節 川崎F2-1新潟 等々力]

 ピッチに入った直後、結果を出した。アルビレックス新潟のFW鈴木武蔵は、後半24分にFW田中達也と交代でピッチに立つと、その1分後にはFW川又堅碁からの折り返しを、泥臭くゴールに押し込んだ。J初ゴールを「たまたまボールが来たので、流すだけでした。気持ちで行ったゴールでしたね。途中から入って、勝ちたい気持ちもあったので、点を決めたときは嬉しかったです」と、振り返る。

 前半は0-0で折り返した新潟だったが、後半に入ってからは川崎Fに押し込まれた。「後半、フロンターレが前への圧力を掛けてきて、対応が難しかった。スペースを与えすぎた印象だった」と、試合展開を説明する柳下正明監督が、状況打開のために送り出したのが鈴木だった。

 得点の場面、中盤でGKからのロングボールを競り合った鈴木は、相手のパスを川又がカットした瞬間、一気に前方へと駆けだした。「僕が入る時間帯は、大体(チームが)キツイ時間帯なので、自分が背後に出たり、前向きにもらったりして相手に嫌がられればと思っていました。自分の長所を出して、相手を後ろ向きにさせたかった」と、プレーの意図を説明した。

 川又と相性の良さを見せたが、鈴木自身も連係には手応えを持っている。「賢碁くんは『足下で受けるから』と言ってくれるので、すごく自分の長所を生かしやすいですね。試合前も、試合中も、2人でよく話しあっています。『おまえが(ピッチに)入ったときは、どんどん裏に抜け出して、ゴールが見えたら打って良いよ。オレも中に入っているから』と言ってくれて、すごくやりやすいです」。

 昨年、鈴木は左足関節脱臼骨折の大ケガに苦しみ、今季も左足関節捻挫を負った。そのため、この試合が今季3試合目の出場だった。「自分としてはちょっと遅い初ゴールかなと思います」と言う鈴木は、この1点を今後のレギュラー奪取への一歩にしたいと続けた。

「今レギュラーのFWを蹴落とすような気持ちで日々やっています。堅碁くんも爆発していますが、キャンプのときはサブでした。そういう意味では、自分にもチャンスがあると思うし、堅碁くんのようにチャンスを生かし、レギュラーに定着できるように成長できればと思います」

 新潟はリーグ戦2連敗で中断期間を迎えることになった。それでも、J初ゴールを挙げた19歳が中断期間中にレギュラー争いを活性できれば、リーグ再開後につながる試合にできるはずだ。

(取材・文 河合拓)

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