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2か月前は3試合7失点…3戦連続無失点に吉田「成長が著しい」

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[8.1 ロンドン五輪D組 日本0-0ホンジュラス コベントリー]

 3試合で2得点無失点。グループリーグを終え、参加16チームで無失点なのは日本とメキシコだけ。首位突破を支えた最大の要因は間違いなく守備面にある。DF鈴木大輔は「CBとしては失点ゼロで終わる試合が3試合続いたことには充実感が高い」と胸を張る。オーバーエイジとしてキャプテンとしてチームを引っ張るDF吉田麻也は「1試合目の入りがよくて、3試合無失点につながったと思う」と指摘。大金星を挙げた7月26日のスペイン戦(1-0)からの流れのまま、勢いに乗った選手たちはD組を首位で突破した。

 5月のトゥーロン国際大会では3試合で7失点を喫し、守備の不安を露呈した関塚ジャパン。吉田、DF徳永悠平というオーバーエイジの加入が大きかったのは確かだが、それだけではない。一戦一戦、自信を付けるように安定感を増す鈴木を筆頭に、U-23世代のパフォーマンスはトゥーロンのころとは比較にならない。

「勝ち進んでいく中でみんなが自分たちのサッカーを分かってきている。守備も攻撃もよくなっている」。そう語る鈴木は「一人ひとりの距離感がよくなった。前もボールを追えるし、それに後ろも付いていける。全体のバランスがよくなった」と指摘する。守備陣だけが無失点の立役者ではない。この日は途中出場だったがFW永井謙佑やMF東慶悟、あるいは左足首痛を抱えながら3試合連続で先発したFW大津祐樹ら攻撃陣も含めたチーム全体の組織的な守備がベースにある。

 右膝の故障から復帰したばかりで、本大会前は英国入り後の親善試合2試合にしか出場できなかった吉田だが、「毎日が充実している。チームが若いだけあって成長が著しい」と、チームの急激な変化に驚きを隠さない。「それに僕もしっかり付いていかないといけないし、チームを引っ張っていかないといけないという自覚も出て、僕自身いい経験になっている」と、オーバーエイジでありながら刺激も受けている。

「グループリーグ突破が目標の一つだったし、1位で突破したことでメダルに大きく前進した」。吉田がそう力説したように、D組を首位で突破したことで、4日の準々決勝の相手はC組首位のブラジルを回避。C組2位のエジプトになった。エジプトもトゥーロン国際大会で2-3で敗れている相手。それでも、当時とは違うという自信が選手たちにはある。「あれから自分たちはレベルアップしてきたと、自信を持ってやれている。それを結果として出せれば」。鈴木は静かにリベンジの闘志を燃やしていた。

(取材・文 西山紘平)

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