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本田が南アW杯以来の1トップ、ザック「前線でキープできる選手が必要だった」

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[8.15 キリンチャレンジ杯 日本1-1ベネズエラ 札幌ド]

 背番号4が最前線に入った。後半29分、FW前田遼一とFW岡崎慎司がベンチに下がり、MF中村憲剛、FW藤本淳吾がピッチに入る。藤本はそのまま右サイド、中村はトップ下にポジションを取り、本田がトップ下から1トップにポジションを上げた。

「最初はシンプルにトップ下のポジションで本田と中村を交代しようと思った。しかし、今日のゲームの流れ、ゲームの状況を考え、チームがかなり疲労してきたところでもあったので、前線でボールをキープできる選手が必要だと思って起用した」

 試合後、本田の1トップ起用の理由を聞かれたアルベルト・ザッケローニ監督はそう説明した。「本田のポジションについては、基本的にはトップ下で使う認識ではある」という前提条件付きだが、“切り札”として本田を最前線で起用する考えもあることが明らかになった。

 岡田武史前監督時代には10年の南アフリカW杯で1トップを務めていたが、ザッケローニ監督就任後は初めて。練習でも試していない形だったという。トップ下にポジションを上げるまでにチーム最多の7本のシュートを放っていた本田だが、1トップに入ってからはシュート0本。後半30分、DF駒野友一の右クロスにニアサイドへ走り込み、ファーサイドでフリーのFW香川真司が決定機を迎えるシーンはあったものの、“1トップ・本田”が完全に機能したとは言い難い。

 それでも、南アフリカW杯で日本をベスト16に導いた本田のフィジカルやキープ力、あるいはシュート力と、やはり1トップとしても大きな期待を抱かせる。実際、MF遠藤保仁も「今日は短い時間だったけど、ザックさんにああいうオプションがあることが分かった。これから練習していけば、コンビネーションはよくなると思う」と歓迎していた。

「しっかり決めるところで決めることが大事だし、それ以外の部分でもしっかりし切れてない場面があった。全体としての精度、厚みがなかった」。試合後、反省の言葉を並べた本田は9月11日のW杯アジア最終予選・イラク戦に向けて詰めていく部分を聞かれ、「全部ですね」と即答する。「まだまだ。しっかり今日の結果を受け止めていきたい」。基本はトップ下。時には1トップの切り札として、本田がザックジャパンの攻撃を牽引していく。

(取材・文 西山紘平)

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