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「警戒されているなと」、首位を走る仙台が直面する試練

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[6.23 J1第15節 浦和0-0仙台 埼玉]

 敵地での勝ち点1を前向きにとらえた。首位のベガルタ仙台は浦和と0-0のスコアレスドロー。5試合ぶりの無得点に終わったが、前半はボールポゼッションでも浦和を上回り、後半も押し込まれながら粘り強くしのいだ。

「ボールは持てたけど、もう一つ攻め手がなかった。相手の守備もよかった」。MF角田誠は悔しそうに振り返ったが、手倉森誠監督は「去年はアウェーで守備にだけ追われていたチーム。アウェーでもここまでボールを持てるようになったところには成長を感じている」と指摘する。昨季4位の躍進を支えた堅守に加わった攻撃力。「去年の成績で自信を付けたこともあるだろうし、一人ひとりが守備だけではJ1で戦っていけないと感じ、日頃の練習から進歩してきたのだと思う」と手応えを感じている。

 浦和は高い位置からハイプレッシャーに来るのではなく、しっかりとブロックをつくって守ってきた。仙台の速い攻撃への対処。DF渡辺広大は「浦和も引いて守っていて、警戒されているなと思った」と言う。対戦相手が対仙台を強く意識し、そのための対策を練る。首位を走るチームだからこそ難しくなるが、やりがいもある。

 渡辺が「そこを崩して1-0で勝てるようになれれば」と言えば、手倉森監督は「私自身、堅守速攻の監督というイメージが付いていると思うけど、根は攻撃的な性格なので」と笑う。この“壁”を乗り越えていったとき、いよいよJ1の頂点が近づいてくる。

(取材・文 西山紘平)

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