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2アシストも「キレがなかった」と反省するF東京・田邉

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[6.23 J1第15節 F東京 2-0 C大阪 味スタ]

 頼れる男が戻ってきた。4節の広島戦(0-1)以来、リーグ戦では10試合ぶりとなるスタメン出場を果たしたFC東京のMF田邉草民である。F東京の中盤は現在、石川直宏、羽生直剛、大竹洋平、とケガ人が続出している。田邉自身も第7節の仙台戦後(0-4)に右ハムストリングス筋挫傷、5月にも右第三中手骨骨折を負い、試合から遠ざかっていた。それでも、約3か月ぶりのスタメン出場で、一発回答を出した。

 後半15分、右サイドを駆け上がったDF徳永悠平からのパスを受けると、ダイレクトで中央のMF長谷川アーリアジャスールにパス。そこから先制点が生まれた。さらに同31分にも最終ラインの背後を取ったFWルーカスにパスを通し、追加点をアシストした。2得点を演出し、勝利に貢献した田邉に対し、ポポヴィッチ監督も「信頼し、期待しているから使った」と話したが、田邉自身はまるで満足していなかった。

「アシストはできたけれど、体にキレがなかった。納得いかない。もう少しできたと思うが、練習と試合は違った。これまでは、もっとボールに触れていたけれど、今日はいつもほどボールに触れなかったし、ボールに触れるポジションも取れなかった。キレがあれば、もっと裏も取れたと思う」と反省を繰り返した。

 それでも、前述のようにケガ人が続出している状況で、22歳のプレーメーカーが結果を残せたことは大きい。「最低限できることをやっただけで、特別に難しいことはやっていません」と、最後まで納得の顔を浮かべなかった田邉は「もっとプラスアルファで、できることがある」と力を込めた。シーズンは、まだ半分も消化していない。自身の力を証明できるチャンスは、まだまだあるはずだ。

(取材・文 河合拓)

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