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決勝はスペイン対イタリア!!バロテッリの2発でイタリアがドイツを下す

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[6.28 EURO準決勝 ドイツ1-2イタリア ワルシャワ]

 決勝はスペイン対イタリア!! EURO2012(欧州選手権)は28日、準決勝2日目を行い、ドイツとイタリアが激突した。イタリアはFWマリオ・バロテッリの2得点でリードを奪うと、ドイツの反撃を後半ロスタイムのMFメスト・エジルのPKによる1点に抑え、2-1で勝利。準優勝した2000年大会以来、3大会ぶりの決勝進出を決めた。これにより7月1日に行われる決勝の対戦カードはスペイン対イタリアに決定。イタリアは1968年大会以来、11大会ぶり、実に44年ぶりとなる優勝を懸けて、EURO史上初の連覇を狙うスペインと対戦する。

 W杯とEURO本大会での対戦成績はイタリアの3勝4分(W杯:3勝2分、EURO:2分)。過去のデータが示すとおり“アズーリ”が相性の良さを発揮した。バロテッリの2得点でイタリアが、優勝候補に挙げられていたドイツを撃破。スペインが待つファイナルの舞台へ駒を進めた。

 ドイツは準々決勝・ギリシャ戦(4-2)から先発3人を変更。FWポドルスキ、FWマリオ・ゴメスが2試合ぶりに先発復帰し、MFトニ・クロースが今大会初先発を飾った。クロースは4-2-3-1の右サイドに入ったが、前半10分過ぎからはトップ下のエジルとポジションを入れ替えながら流動的にプレーした。

 イタリアはPK戦の末、イングランドを下した準々決勝から先発一人が代わった。故障を抱えるDFアバーテがベンチスタート。右SBはDFマッジョも出場停止のため、イングランド戦で左SBを務めたDFバルザレッティが右SBに回り、負傷でイングランド戦を欠場したDFキエッリーニが左SBで2試合ぶりに先発した。

 今大会唯一の4連勝で準決勝まで勝ち進んできたドイツ。戦前の下馬評どおり、立ち上がりは試合を優勢に進めた。前半5分、クロースの左CKにDFフンメルスが左足で合わせるが、シュートはゴールライン上でMFピルロがブロック。同13分にはクロースが左足でミドルシュートを狙ったが、GKブッフォンがパンチングで弾いた。

 守勢に回る時間の長いイタリアは前半17分にMFモントリーボ、同18分にはFWカッサーノがミドルシュートを狙うが、攻撃は単発。それでもワンチャンスを生かし、先制に成功した。

 前半20分、左サイドをオーバーラップしたキエッリーニがカッサーノに預けると、カッサーノは鋭い反転から縦に突破。フンメルスをかわしてゴール前に折り返すと、DFバトシュトゥバーの背後から飛び込んだバロテッリが頭で合わせた。バロテッリはグループリーグ最終戦のアイルランド戦(2-0)以来、今大会2得点目。イタリアがリードを奪い、試合の流れは大きく動いた。

 早めに同点に追いつきたいドイツは前がかりになって攻勢を仕掛けた。立て続けにCKのチャンスを得るが、イタリアの体を張った守備に跳ね返され、流れの中で崩し切れない。前半35分、MFケディラのミドルシュートもGKブッフォンがセーブ。なかなか決定機をつくれずにいると、カウンターで追加点を許した。

 イタリアは前半36分、モントリーボがハーフウェーラインの手前でボールを持つと、一瞬の隙を逃さなかった。バロテッリが鋭い動き出しで最終ラインの背後を取り、そこにモントリーボからピンポイントの縦パスが通る。フリーで抜け出したバロテッリはPA手前から右足を一閃。弾丸シュートはゴール右隅に突き刺さり、GKノイアーは一歩も動けなかった。

 2点ビハインドを負ったドイツは後半開始から2人を一気に交代。ゴメスとポドルスキを下げ、FWクローゼとMFマルコ・ロイスをピッチに送り込んだ。クローゼの1トップで、ロイスは右サイドに張り、クロースが左サイドに回った。

 ドイツは後半3分、ロイスが右サイドから仕掛け、左足でシュートを狙うもGKがキャッチ。同4分にはDFラームがクロースとのワンツーから右足を振り抜いたが、ゴール上に浮いてしまった。イタリアを押し込んでいくが、粘り強いディフェンスに阻まれ、1点が遠かった。

 イタリアは後半13分、カッサーノに代えてFWディアマンティを投入し、最初のカードを切る。同17分にはゴール前でFKのピンチを迎えるが、ロイスの直接FKはGKブッフォンの手を弾いてクロスバーを直撃。守護神がビッグセーブを見せ、2点リードを守り続けた。同19分、モントリーボに代えてMFチアゴ・モッタを投入。同25分には足をつったバロテッリに代わってFWディ・ナターレが入った。

 ドイツも後半26分、DFボアテングに代えてMFトーマス・ミュラーを投入し、3枚の交代枠を使い切った。MFシュバインシュタイガーが最終ラインをカバーする変則的な3バックにして両翼を高い位置に押し出し、最後の反撃に出た。

 しかし、イタリアは動じない。従来の引いて守る“カテナチオ”ではなく、終盤に入っても高い位置から積極的にプレッシャーをかける攻撃的な“カテナチオ”を継続。焦りの色を見せ始めるドイツに対し、逆にカウンターから好機をつくり、ドイツの猛攻にも守備組織は最後まで崩れなかった。

 イタリアは後半37分、速攻からの決定機でディ・ナターレがシュートを外すなど試合を決定づける3点目は奪えず。ドイツは後半ロスタイムにPKを獲得し、これをエジルが決めて1点を返したが、イタリアがそのまま2-1で逃げ切った。

 決勝では、06年のドイツW杯を制したイタリアと、10年の南アフリカW杯で初優勝したスペインの“新旧世界王者”が激突する。スペインの連覇か、イタリアの44年ぶり欧州制覇か。7月1日、ウクライナのキエフで、EURO2012もいよいよフィナーレを迎える。


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