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日本vsウズベキスタン 試合後の選手コメント

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[2.29 W杯アジア3次予選 日本0-1ウズベキスタン 豊田ス]

 W杯アジア3次予選は29日、各地で最終戦を行い、C組2位の日本代表は豊田スタジアムで首位・ウズベキスタン代表と対戦した。すでに両チームともに最終予選進出を決めている試合は、後半9分にウズベキスタンが先制。日本は反撃もままならず、0-1で敗れ、過去5勝3分のウズベキスタンに対し、9戦目で初黒星を喫した。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(ドルトムント)
「点が取れなかったし、攻撃の形もなかなかうまくいかなかった。個人的にも、チームとしても、もっとうまくできたんじゃないかと思う。あの位置(トップ下)に入ったからには、もっと攻撃のスピードを上げるところでゴールに向かっていかないといけない。センターサークル付近で1、2本入ったときには前を向けたけど、PA近くで効果的なプレーができなかった」
―もっと高い位置でプレーしたかった?
「相手のボランチのところのスペースは空いていたし、そこを活用できればよかった。前半から、もっと我慢して前にいる時間を増やしてもよかった。自分が得意としているプレーではなかった。後半はバイタルでボールを受けようという意識でやっていたけど、うまく入っていけなかった。個人としてもチームとしても動きながらボールに触る回数を増やさないといけない。前の流動性、距離感をつかめなかった」
―プレー中はどこを見ていた?
「前(FW)に入らないと、自分のスピードも上がらないし、前向きになれない。明らかにFWにボールが入ってなかった。それで攻撃のスピードも出なかった」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「ストロングポイントを増やさないといけない。バリエーションも少なかったし、チグハグさもあった。負けたのは残念としか言いようがないし、最終予選まで時間はないけど、ここでこういう試合ができたのは大きいと思う。チームとして僕も含めて他の選手にもチャンスが少なかった。うちのチームはチャンスの回数を増やすべきだし、僕のシュートも体勢を崩してしまった。ブンデスでやっていて、違うのは日本を背負って立つということ。その厳しさをあらためて感じた。一つひとつの気の緩みが負けにつながる。日本を背負って立つというのはサッカー自体が別物。今までの代表選手もそういうものを感じてやっていたのではないか。欧州ではできていても、日本に帰ってくるとアジアで苦戦する」

●FWハーフナー・マイク(フィテッセ)
「勝てなかった。最後のところで決められなかった」
―香川との絡みはどうだった?
「そうですね、たまに良かったです。練習で監督からボールサイドからは逆に行けと言われたが、いざ試合になるとサポート面で顔を出さないといけない。久しぶりな分、連係のところが難しかったが、短い期間でやらないといけない。そこは個人的な課題です。クロスにもなかなか合わせられなかった。自分ではなくてもいいのだが」
―終わったあとの雰囲気は?
「だれもしゃべらなかったです」

●FW乾貴士(ボーフム)
「負けていたのでまずは1点取ろうというつもりで入った」
―香川とのコンビはやりやすかった?
「かなりやりやすかったです。特に話してはいないが、(DFの)間で受けてというイメージで自分の中ではやっていた。でも、なかなか前を向けなかった」

●FW宮市亮(ボルトン)
「いつでも出る準備はしていた。出たかったけど、(選手交代は)監督が決めること。チームのために監督が決断したと思う。ここでいい経験ができたし、チームに帰って、次はマンチェスター・Cとの大きな試合がある。そこに向けて準備したい」
―試合を見ていてどうだった?
「結構、裏が空いていたので、自分が入ったら何かやれるかなと思っていたけど、気持ちを切り替えて、チームでがんばって、またここに帰って来られるようにしたい。手応えもあったし、チームで結果を出すことで次につながると思う」
―チームのやり方は理解できた?
「基本コンセプトは裏を取ると聞いていたし、今日もそれはできていたと思う。僕が得意とするところなので、次呼ばれる機会があったら、がんばりたい」
―代表戦の雰囲気はどうだった?
「地元だし、いい雰囲気だった。こういう中でやれたら幸せだなと思って見ていた。ウズベキスタンもいいサッカーをしていたし、スピードがあって、いいチームだった。でも、自分がやっているリーグもレベルが高いと思っているし、プレミアでしっかりやればアジアでも互角以上の戦いができると思う」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―この敗戦は最終予選にどのような影響があると思うか?
「勝って、いい形で最終予選に行きたかったけど、負けてしまったので、これは結果として受け止めなければならない。3次予選で2敗しているということは、自分たちもまだまだという弱さを今は感じている」
―今日の一番大きな問題は?
「悲観的な部分だけでなく、良かったところもあったと思うが、今日の試合に関してはウズベキスタン相手に個々の1対1の部分、球際や競り合いで負けていた。そういうところで負けてしまうとなかなか難しいのかなと思う。うちにもチャンスがあり、向こうにもチャンスがあったが、それをウズベキスタンは決めてうちは決められなかった、そういうことです」
―アジアでは圧倒的な力を見せて3次予選を勝ち抜きたいと言っていたが?
「実際、2敗しているし、ウズベキスタンに対してホームで負けているので、圧倒的に勝つというのは全然達成できなかった。自分たちが慢心していたわけではないが、アジアは甘くないというのをもう一度突きつけられた感じもする。その中で、今日負けて良かったとは言わないが、とにかくこれを最終予選に向けてつなげていかないといけないと思う。それだけです」
―最終予選まで時間が空くが?
「代表としては集まれないので、コンビネーションというのは難しいと思うが、そういうところではなく、個々のコンディションを最終予選までにいい状態に持っていく。今日もコンディションにばらつきがあった。試合に出ているオカちゃん(岡崎)らは体が切れていたが、コンディションにばらつきがあった。いい状態に持っていき、個々として少しでもレベルアップしていくこと。最後の点を取るところは、個々の力という部分も大きい」
―ホームで負けたのが本当に久々だった。
「ホームで3次予選で負けたというのは、本当は負けてはいけない戦いだった。3次予選の通過が決まっていたといえども今日は、本当に勝ちに行った試合だったし、そういった意味では少なからずダメージはあるかもしれない。でもそれをいかに最終予選に向
けていけるか。自信をなくす必要はない」
―集まってすぐの難しさは?
「それを言い訳にしてはいけない。本当に強いチーム、本当にいい選手は、どういう日程、どういうコンディションの中でも結果を出す。日程の部分では言い訳にはできない」
―最終予選に向けてより厳しい雰囲気をつくっていきたいという気持ちはあるか?
「つくっていきたいというより、みんなが持っていくと思う。今日も負けているし、北朝鮮でも負けている。アジアでは簡単ではにことが分かったし、つくるというより自然とこの結果を受け止めて出てこないといけない」
―最小限の傷で得られたことがある?
「負けて言うのも何だが、実際、悪い場面ばかりではなかったし、自分たちの中で最後のところはもう少しだったが、それまでの組み立ての部分では手応えもつかめた。みんなが同じような意識を持ってやっているというのは感じていた。ポジティブな部分、ネガティブな部分、両方出たが、そのネガティブなところばかりに目を向けずに少しでも前向きにやっていくのが重要だと思う」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「ホームだったし、勝ちたい気持ちは強かったので、若干前がかりになるのはしょうがない。90分を通しての戦いなので、リスクを冒すところは冒さないといけないが、やってはいけないミスはしないということを頭に入れてやらないといけない。今日はいい教訓になると思う」
―この敗戦はショックか?
「負けてはいけない試合だったし、今日はすべてが悪かったわけではないけど、いいところもそんなになかった。こういう戦いの中で自分たちがどうやればうまくいくのかという課題も出たので、それをどうするかと頭を切り替えればいい。すべてはW杯に行くためなので、一人ひとりが今日できなかったこと、やらなければいけなかったことを反省しないといけないが、下を向く必要はない。今日の負けをチームの力にしていけばいいと思う。負けたという事実は変わらないが、同じ過ちを繰り返さないこと。最終予選は厳しい試合になると思うので、今日は簡単な試合はないということが分かって、いい薬になったと思う」

●DF内田篤人(シャルケ04)
「サッカーは点が入ったら勝ちです。勝てればいいし、負ければダメ。簡単なことです。負けたのはしょうがない。期間が空くので。それぞれチームに帰ってやりたいと思います」
―前半は攻撃のリズムが良かったが?
「少しずつポイントになるパス、起点となるパスがなかなか良くなかった。回すのはできていたが、攻撃のスタートになるパスが、少しずつ。ボールタッチのミスも多かった」
―香川がトップ下に入ったが?
「真司はDFの届かないところでパスをもらって前を向ける。絶妙なポジショニングだったので、そこが空けばいいなと思っていたけど。相手もDFラインとボランチの間は真司を意識していたように見えた。前半は少しずつ空いて、あいつのところにボールが入って崩せることもあったけど」
―藤本とのコンビネーションは?
「藤本さんは左利きなので、中に入ってシュートだったり、なるべくあの人をフリーにさせたいなと思ってやった。俺は前に上がらなくても、攻撃の選手がやってくれればいい」
―崩しきれなかった要因は?
「向こうもコンパクトにやっていたので」

●DF長友佑都(インテル)
―交代は?
「ふくらはぎにちょっと張りがあったので。もともとじゃない。後半になって徐々に徐々に。大きくなる前に僕から監督に言いました」
―後半途中から左サイドに乾が入ったが?
「うまくバイタルでプレーさせたかったけど、監督には『開け』と言われていたし。乾とやるのは初めてなので、もっとコミュニケーションを取る必要がある」
―香川がトップ下だったが?
「結構バイタルが空いていたし、もっと(香川)真司を使えればよかった。使えたときには前半もチャンスをつくっていたけど、決め切れなかった」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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