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王者を凌駕した仙台の勝負強さ、後半はシュート2本で2点

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[4.14 J1第6節 柏2-3仙台 柏]

 快進撃が止まらない。開幕から無敗で首位をひた走るベガルタ仙台が、粘る王者・柏を振り切り、3-2で競り勝った。5勝1分の勝ち点16で首位をキープ。MF関口訓充は「難しい試合になるのは分かっていたし、アウェーで最悪でも勝ち点1と割り切って入ったのがよかった。勝ち点3を取って仙台に帰れるのはチームにとって大きい」と胸を張った。

 東日本大震災に見舞われた昨季も開幕から12戦無敗(6勝6分)と旋風を巻き起こした仙台だが、その再現どころではない。昨季の開幕6試合は8得点5失点で3勝3分。今季はここまで6失点を喫しているが、リーグトップの14得点を挙げ、結果も5勝1分と、同じ無敗でもその“内容”は大きく異なる。

 この日も2度追いつかれる展開ながら、そのたびに突き放す底力を発揮した。前半2分の先制点、失点から1分後の勝ち越しゴール。集中力の高さと切り替えの早さで柏を凌駕した。後半のシュート数は柏の7本に対し、仙台は2本。その2本をいずれも得点につなげ、敵地で勝ち点3をもぎ取った。

 昨季は12試合を終えるまで無敗だったが、6勝6分の勝ち点24で、8勝1分3敗で勝ち点25の柏に次ぐ2位だった。最終的にも14勝14分6敗と、引き分けの数はJ1の18チームで最多。6敗は名古屋に次いで2番目に少ない数字だったが、勝ち点では大きく引き離されての4位でリーグ戦を終えた。

「去年は引き分けも多い中での12戦負けなしだった。今年はそういう試合を勝っていって、なるべく単独首位で(2位以下を)引き離せるようにしたい」と関口が言えば、MF太田吉彰も「苦しい展開でも勝ち続けられるチームになりたい」と力を込める。引き分けを勝ちに変える勝負強さ。王者に競り勝って手にした勝ち点3が持つ意味は大きい。

(取材・文 西山紘平)

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