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浦和快勝を支えた好守備…ピンチの芽を摘んだDF大畑歩夢「入る前はちょっと緊張していた」

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DF大畑歩夢

[8.19 ACL決勝T1回戦 浦和5-0ジョホール 埼玉]

 ACLの頂点を目指すべく、圧倒的な勝利で準々決勝進出を決めた浦和レッズ。前半だけで3得点を挙げたが、危ない場面がなかったわけではない。要所のピンチを潰したのはDF大畑歩夢。次戦に向けて「いい準備をして、試合に臨みたい」と意気込みも語っている。

 “ホーム”埼玉スタジアム2002での開催となった大舞台ACL。いつもと違う雰囲気に、大畑は「Jリーグとは全然違うなっていうのは感じました。いつもはそんなに緊張しないんですけど、ちょっと入る前は緊張していた。いい緊張感でできました」と振り返る。

 浦和の先発メンバーでは最年少の21歳。チームは開始早々に相手の勢いに呑まれるが、大畑は冷静に試合を見つめた。「徐々に相手の勢いに慣れてきて、自分たちの時間も増えてきて、そこから自分たちのペースで試合を進めてきた。最初から前半で締める感じで意識していたのでそこはよかった」。前半8分の先制から流れを引き寄せ、前半3得点で勝利に大きく近づいた。

 結果だけを見れば快勝だが、ピンチがなかったわけではない。相手の右サイドMFアリフ・アイマンは突破力に優れた選手。単騎突破で浦和陣地を脅かした。マッチアップした大畑は「スピードが速いと聞いていた。一回勝負したんですけどちょっと速くて、体の入れ方を間違えた」。前半16分には自陣の深い位置まで進入を許してしまった。

 しかし、失敗から相手を分析。「距離を詰めたらそんなにできるタイプではなかった」。それ以降は1対1で対峙しても相手の突破を阻んでいく。直後にはFWダヴィド・モーベルグがFKで追加点を挙げ、チームはさらに流れに乗った。

 仲間たちが攻勢を強める一方で、大畑は守備意識を高める。「目立ったプレーはしていないんですけど、逆サイドにボールがあるときに内側に絞るところだったり、常に高校時代から言われてきた。体が勝手に動くというか、習慣にはなっている」。隠れた好プレーは前半27分。DFジョルディ・アマト・マースのインターセプトからカウンターでスピードアップ。だが、パスを受けたFWフェルナンド・フォレスティエリに大畑がすかさずタックルを仕掛け、相手の流れを潰した。

 前半を3-0で折り返すと、大畑はハーフタイムで途中交代。中2日の準々決勝に向け、体力の温存はできた。「まずはタイトルを取りたいのがひとつ。自分のことで言うと、世界で活躍したい。このアジアの相手にどれだけ自分ができるか。経験をしっかり積んでいきたい」。気鋭の左サイドバックは、虎視眈々と頂点を見つめている。

(取材・文 石川祐介)
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