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中2日連戦フル出場の34歳…“危機感”と戦う浦和MF岩尾憲「ピッチに立ち続けられるのは疲労感よりも幸せなこと」

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浦和レッズMF岩尾憲

[8.22 ACL準々決勝 浦和 4-0 パトゥム・U 埼玉]

 中2日の連戦で行われているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のノックアウトステージ。浦和レッズMF岩尾憲は中盤より前の選手で唯一、2試合連続で90分間ピッチに立ち続けてきた。4-0で圧勝したパトゥム・ユナイテッド戦の試合後、岩尾は試合に出続けることへの思いを語った。

「疲れていないことはないけど、このクラブでこの立場でピッチに立ち続けることは簡単なことじゃないし、自分の代わりを見渡せば世の中いくらでもいると思っている。それは日本人選手もそうだし、もしかしたら外国人選手を取ってきてということも可能だと思う。そういうことができるクラブなので」

 リカルド・ロドリゲス監督がかつて指揮していた徳島から今季加入し、ボランチの一角として欠かせない存在になっている岩尾。だが、その立場が確保されているものだとはまったく考えていないようだ。

「そういう意味で、ピッチに立ち続けられるのは疲労感よりも幸せなことだと思うし、たとえば疲労が理由、痛みが理由でピッチを退くことがあって、代わりに誰かが入って結果を出せば、当然その椅子はなくなるわけで、僕自身その危機感とも戦っている部分がある。いろんなことはあるけど、ピッチに立ち続けて結果を出し続けることに非常に研ぎ澄まされているというか、コミットできている感覚はある」。そう現状を描写した岩尾は「引き続き勝つことじゃなく、勝ち続けることをしっかり自分のテーマに置いて、これからも進んでいきたい」と決意を示した。

 勝利と向き合う姿勢はリーグ戦であっても、国内カップ戦であっても、また岩尾にとっては初挑戦となっているACLの舞台でも変わることはないという。

「ACLそのものというより、このクラブの一員になって、どの大会でもどんな試合でも勝つことの義務というか、勝利への執着というか、そういったところは僕のキャリアの中でも最も問われているところだと思っている。なのでACLだからというのはなく、目の前の試合に自分がプレーする上で、勝てるのか、勝てないのか、二つに一つを僕自身が問われていると思っている。そこに常に毎試合トライできる環境があるのは僕を成長させてくれているかなと思う」

 そんな感覚でアジアの一発勝負を過ごしているという岩尾は、好調が続く中での勝ち上がりについても「まだトップ(優勝)は見えてきていない」ときっぱり。まずは25日に控える準決勝の全北現代戦に向けて「次はさらに難しいゲームを強いられると思うし、浮き足立って先のことを見れば、簡単に点を失って難しいゲームになって、このスタジアムで準決勝で負けるということだけは避けたい。しっかりと勝って兜の緒を締めるじゃないけど、しっかりと地に足をつけていい準備をしたい」と気を引き締めていた。

(取材・文 竹内達也)
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