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試行錯誤の65分間…パリ世代SB加藤聖がACLで加入後初先発「後半は少し良くなったと思う」

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横浜F・マリノスDF加藤聖

[9.19 ACLグループG第1節 横浜FM 2-4 仁川U 横浜国]

 アジアの舞台で大きな一歩を刻んだ。今季途中に長崎から加入した横浜F・マリノスDF加藤聖は、仁川ユナイテッドとのAFCチャンピオンズリーグとの開幕戦で加入後初先発。前半はなかなか持ち味を発揮できなかったが、後半には豪快なミドルシュートを放つなど、パリ五輪世代のSBが65分間のプレータイムを重ねた。

 試合は加藤の交代後に2点を突き放され、2-4で敗戦。試合後には「勝ちたかったし、相手が引いてきて、逆にフリーでボールを持つシーンが多かった中で、なかなか相手を引き出すことができず、思うような形で攻めができなかった。個人的に何かを残せたかというと、あまり残せなかった」と悔しさを見せた。

 それでも横浜FMのSBは大外だけでなく中央でのプレーも求められるため、順応に時間がかかるのが常。試合中に試行錯誤を重ね、適応力を見せたのはポジティブだ。

「ボールを受けるときの立ち位置を変えたり、前半はそこを試行錯誤しながらやっていたけど、ハーフタイムでいろいろと指示を受けて、後半は修正できて、ボールがある時に中まで入って行ってフィニッシュにも行けるシーンもあった。今日の試合をやりながら自分の立ち位置を変えてどう前にボールを運ぶかを考えながらできた。後半は少し良くなったと思うので、これからやりながら合わせていきたい」(加藤)

 後半6分には改善策としてトライした中央寄りのポジショニングから自慢の左足を一閃。「逆サイドにボールがあるときは中のほうまで入ってボランチのような役割をして欲しいと言われていて、前半はどこまで入ったらいいかをやりながら考えていて、ハーフタイムに中に入って受けろと言われた。そこでボールを受ける位置まで行こうという考えになって、シュートを打ったシーンもうまくあそこまで入り込めた」。ミドルシュートは相手GKに阻まれ、「ドフリーで打てたし、あれが入っていれば流れも変わったと思う」と悔いを残したものの、強みの出し方を見つけられたのは大きな手応えだ。

 今後はJFAアカデミー福島、長崎時代に共にプレーしたFW植中朝日とのホットライン開通にも期待がかかる。この日は相手との兼ね合いもあってクロスを通せる場面はなし。「今日は相手が高かったので、クロスを上げたいのもあったけど、朝日もそんなに大きくないので、スペースにピンポイントで落とすボールじゃないと跳ね返されると思った。行けそうなシーンはうかがっていたけど、相手を引き出さないと中がガチガチで、クロスを上げても跳ね返されて逆にカウンターを食らいそうな気持ちがあったので、それよりはサイドに散らしたり、縦パスを刺したり、自分が潜っていって崩すほうが可能性が高いと感じた」。試合を重ねながらチャンスをうかがっていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
●ACL2023-24特設ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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