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川崎Fキャプテンの渾身一発!「入ってくれと思いながら…」橘田健人がACL連勝もたらす決勝ゴール

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MF橘田健人が決勝ゴール

[10.3 ACLグループI第2節 川崎F 1-0 蔚山現代 等々力]

 若きキャプテンの一発が試合を決めた。試合終了間際、川崎フロンターレの主将、MF橘田健人の右足シュートがゴールに突き刺さった。川崎FはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグで連勝。「簡単な試合にならないと思っていた。最後まで全員が集中して戦い切ったから勝つことができた」と喜びを語った。

 過去9度の対戦で、1回しか勝てていない蔚山現代(韓国)との対戦。試合はほぼ90分通して拮抗状態が続いた。しかし、後半45分に均衡が破れる。敵陣付近でFW遠野大弥がマイナス方向に落とすと、橘田が右足を一閃。「もらう前から声を出して呼んでいた。ボールが来たので入ってくれと思いながら、思いっきり振り抜いたら、いいコースに飛びました」。一直線の弾道がゴール左に突き刺さり、試合を決した。

 J1リーグでは苦境が続いている。前節・アルビレックス新潟戦の敗戦で、J1優勝の可能性は消滅。カップ戦が残る中で、初のアジア制覇に懸ける思いは強い。開幕2試合で連勝を果たし、グループ首位に立った。橘田は「本当にいい入りができた。ここからもっと気を引き締めて、全部勝てるように準備をしたい」と力を込めた。

 プロ3年目の25歳は今シーズンからキャプテンとしてチームをけん引。しかし、チームは昨シーズンからの停滞が続き、橘田自身も不調に陥っていた。その姿を見守り続けた鬼木達監督も、橘田の活躍には目を細めた。蔚山現代の失点シーンにミドルシュートが多かったことからも、ミドルが狙いであったことを明かしつつ、「ただ、あんなすばらしいミドルシュートになるとは思っていなかった」と笑み。「きょうは攻守において積極性がありましたし、また一皮むけたゲームになったのかなと」と称賛した。

 橘田も自身のゴールで得た勝利を噛み締める。「直接自分のゴールで勝たせられたのはもうほんとに嬉しくて。腐らずにやり続けてきて本当によかった」。囲み取材終了後には取材陣から「いい表情をしている」と称賛の声も。少し時間を溜めながら、橘田は「たぶん、いい表情をしていると思います」と笑顔で会場を去っていった。

(取材・文 石川祐介)
●ACL2023-24特設ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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