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ACL&J2連戦も「素直に楽しい」甲府MF中村亮太朗が鮮やかダイレクトパスで2ゴール演出!

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MF中村亮太朗

[11.8 ACLグループH第4節 甲府 4-1 浙江 国立]

 鮮やかなワンタッチパスで勝利を導いた。ヴァンフォーレ甲府は0-0で迎えた前半18分、味方からのパスを受けたMF中村亮太朗がノートラップで縦にパスをつけると、これにFWピーター・ウタカが反応。背後に抜けてシュートを決め、国立競技場を大いに沸かせる先制点が入った。

「ウタさんが常に狙っといてと試合前からずっと言っていたので、みんながしっかり狙ってくれていた結果だと思う。相手が集中力が切れる瞬間があるというのもウタさんにも言われていたし、チームとしても狙っていた」。試合前からの狙いに加え、中村の技術とウタカのスピードが合わさったゴールだった。

 さらに1-0で迎えた前半アディショナルタイム2分にも、見事なダイレクトパスで今度は右サイドのMF宮崎純真に通し、そこからFWジェトゥリオが追加点を記録。中村自身は「とりあえず見えたから出した」と冷静に振り返ったが、右足アウトサイドで蹴るというイマジネーションも発揮した。

 J2リーグ戦とACLをターンオーバーしながら戦っていることもあり、J2リーグ戦の主力である中村は今大会初先発。「前節同じ相手(浙江FC)に負けてしまったので、同じ相手にホームで2度負けてはいけないということもわかっていたし、そういう監督からのメッセージだと思っていた」。2ゴールに絡む活躍で期待の起用に応えてみせた。

 二つの大会に出るとなれば連戦の疲労は避けられない。それでも中村は「チーム全体としてもそうだと思うけど、いまはリーグでもACLでもすごくいい経験をさせてもらっているので素直に楽しい。それを忘れずにプレーできていることで、こういう試合で固くなりすぎず、自分たちのプレーをリラックスしてできていると思う」と充実感をのぞかせる。

 昨季移籍した鹿島ではなかなか出番を得られず、今季途中に期限付き移籍で甲府に復帰。当時の苦労も一つの原動力となっている。「悔しい思いもしてきたけど、自信がなくなったわけではない。鹿島に行ったことも大きな意味があると思っている。今もそうだけど、今やっている経験、できている経験をその後のサッカー人生に活かせたらなと思っている」。試合に出られなかった経験も、甲府での生活に活きているようだ。

 ACLではグループリーグ首位浮上を果たし、週末の12日にはJ1昇格プレーオフ出場権がかかるJ2リーグ最終節・山形戦にを控える甲府。「勝てて勢いに乗れたのはあるけど、過信せず、自分たちも集中して、自分たちの力を出せたらと思う」。そんな中村が示したいのは”甲府に帰ってきた意味”だ。「J2プレーオフに行って、ACL突破できたら初めてそれが評価されると思います」。覚悟を胸にシーズン佳境の大一番に挑む。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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