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浦和は公式戦4連敗から脱出、3位確定を目指してJ1最終節へ…GK西川「状況を見ながらしっかり戦いたい」

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GK西川周作

[11.29 ACLグループJ第5節 浦和 2-1 武漢 埼玉]

 11月は公式戦4連敗だったが、ようやく白星を掴んだ。浦和レッズGK西川周作は「11月は僕たちが望む結果を取れず、みんなが苦しい思いをした。だけど、こういう勝ち方ができた。本当にポジティブになれた勝利だった」と安堵の表情を浮かべた。

 いずれもタイトルが懸かった試合を落とした。11月4日のルヴァンカップ決勝ではアビスパ福岡に敗戦。中3日を挟んだ12日のJ1第32節ではヴィッセル神戸に劇的ゴールを食らい、J1優勝の可能性が潰えた。中断期間を経て挑んだ25日の第33節では福岡との再戦だったが、これも打ち合いの末に2-3で敗れていた。

 この一年間でチームを率いたマチェイ・スコルジャ監督の退任も発表され、チームには嫌な雰囲気が漂った。指揮官はACL第4節で退場処分となり、4試合のベンチ入り停止処分。今節はラファル・ジャナスコーチが指揮を執った。試合後の会見では「今月は負けが込んでいてタフなひと月だった」と振り返る。一度は追いつかれたものの、終了間際にFWホセ・カンテのゴールに救われた。「最後の最後まで勝ちたいという意欲を持って戦ってくれた」。今シーズン最後のホーム戦でサポーターに戦う姿勢を示してみせた。

 武漢三鎮(中国)との試合は激しいものとなった。ラフなプレーも目立ち、相手選手と交錯したFW高橋利樹が一時気を失うシーンもあった。試合後には意識も戻り、命に別状はなかったものの、百戦錬磨の西川も「あそこまで激しいチャージで、ああいう状況を見ると、さすがに動揺はした」と驚きを隠せなかったようだ。

 公式戦では10月20日のJ1第30節・柏レイソル戦以来となる7試合ぶりの勝利となった。ACLのグループリーグではすでに首位突破は不可能となっていたが、今節の勝利で2位は確定。あとは12月6日の最終節の結果次第で東地区5グループの2位のなかで上位3チーム以内に入ることができれば、来年2月の決勝トーナメントに進むことができる。

 大一番の前に、もうひとつ大事な試合が残されている。J1リーグは12月3日に最終節が控えており、浦和は敵地で北海道コンサドーレ札幌と対戦。前節の結果で順位は4位に落ち、サンフレッチェ広島が3位に浮上。2024-25シーズンから始まるAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に出場するためにも勝ち点1差をひっくり返さなければいけない。

「ほかの会場次第というところもあるが、状況を見ながらしっかり戦いたい」と西川は気持ちを切り替える。対する札幌は今シーズン限りで現役を退くMF小野伸二のラストマッチに懸ける意気込みも強い。「たぶんミシャのことなので、伸二さんも最後絶対出してくると思う。そういう雰囲気に飲まれないように、しっかりと僕たちは勝利を目指してがんばりたい」と冷静に試合展開を見据えていた。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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