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堂々の大会MIP。ソレッソを引っ張ったエースFW菊山璃皇は悔しさを糧に成長を誓う

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ソレッソ熊本FW菊山璃皇が大会MIPに先週された

[8.24 日本クラブユース選手権(U-15)決勝 FC多摩JY 2-1 ソレッソ熊本 帯広の森陸上競技場]

「街クラブ決勝」となった日本クラブユース選手権(U-15)決勝。全体的にソレッソ熊本が劣勢の展開を強いられる中で、FC多摩ジュニアユース守備陣にとって最も大きな脅威となっていたのは、間違いなくソレッソのFW菊山璃皇(3年)だった。

 前半18分にはゴールキックの流れから巧みに裏へと抜け出してGKとの1対1を制して1点目を奪い取り、前半終了間際には多摩のDFを次々と抜き去るロングドリブルから決定的なシュートを放つなど、存在感を見せ付けた。準決勝でもチームを救うゴールを決めるなど大会通算5得点。チームを引っ張る活躍だった。

 もっとも、「もっとゴールを決めるチャンスはあったので納得はしていません」と本人は振り返る。印象的だったロングドリブルからのシュートについても、「あそこで決める力がないのが良くない」と突破よりもフィニッシュの質を悔やんだ。

「相手に押される時間帯が長い中でも後ろは本当に我慢してくれていた。だから前の選手である自分が決めないといけなかった。後半はみんな(体が)重くなっていて、だから前がやらないといけなかった」

 大会MIPの受賞に際しても口を真一文字に結んで悔しさを噛み殺した様子だった菊山は、大会についてこう語る。

「得点王を目指していた大会だったので、(5得点は)全然足りなかったと思います。チームに全然貢献できていなかった。全然です。準決勝も内容はずっと悪かったので、納得はしていないです」

 日本一を目の前にして、優勝を逃す悔しさは十分に噛みしめた。

「自分たちがああやって喜びたかったけれど、今回はできなかった。だから冬は自分たちが優勝してやるという気持ちで臨みたい」

 そのための課題も痛感し、持ち帰ることも決めている。

「まず自分がもっと一人で、個でいけるようにならないといけない。あとはチームとしても攻撃のコンビネーションが足りていなかったので、そこはみんなと突き詰めたい」

 よく映像も観ているという憧れのストライカーはノルウェー代表FWハーランド。「ゴリゴリ行って、ボックス内で凄いターンして決められる」、そんなプレーヤーが思い描く理想像だ。そこへ少しでも近づくために、ここから課題と向き合い、冬の全国大会ではより大きくなった姿を見せ付ける。

(取材・文 川端暁彦)
第38回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会特集
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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