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3試合連続無失点で過去最高タイの8強。富山一が準々決勝で歴史を変える

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富山一高はDF中田青主将を中心に無失点。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.9 総体3回戦 富山一高 3-0 長崎日大高 鈴鹿]

 富山一高は前半、決して良いサッカーを展開できていた訳ではなかった。シード校・長崎日大高(長崎)よりも1試合多く戦っていることが影響したか、リズムに乗ることができない。また、その状況から立て直すことができていなかった。

 ただし、前半のクーリングブレイクで大塚一朗監督が「慌てないように。ボールの取り方の確認をした」後はいずれも運動量の多いMF倉田歩武(3年)、MF山田桂大(3年)、MF加治駿佑(3年)を活用した守りが機能。中央でボールを奪ってからの攻撃で流れを引き寄せた。

 エースFW小森飛絢(3年)が今大会2度目のハットトリックを記録した一方で、CB中田青主将(3年)を中心とした守備面は全3試合無失点、被シュートも計9本と充実している印象だ。中田は無失点で勝ち続けていることについて、「ゼロで抑えるというのはチームの中でも意識していて、GKとDFラインで声を掛け合って良くできたと思います」と納得の表情を見せていた。

 今年昇格したプレミアリーグEASTでは、青森山田高(青森)に5点を奪われるなど開幕から8試合続けて失点。2分6敗、計18失点と苦しんでいたが、前期最終節で清水ユース(静岡)を1-0で撃破。7月~8月のクラブユース選手権で日本一になっている相手を封じたことで自信をつけ、インターハイでも良い結果を出すことができている。

 富山一の過去最高成績はベスト8。歴史を塗り替えれば「自分の人生も変わっていく」(大塚監督)という言葉も受けながら、選手たちは新たな歴史に挑戦する。昨年、レギュラーとして3回戦敗退を経験している中田は「去年を超えられたのは良かったけれども、富山一はベスト8までしか行っていないので歴史を変えたいですね」ときっぱり。リーグ戦で結果が出ない中でも言い合える仲にあるチームは良い方向になるように意見を出し合いながら、全員で成長を遂げてきた。次は強敵・桐光学園高(神奈川2)を封じ込んで歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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