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ゴール量産中も消えない反骨心…浅野拓磨「結果が出ていても周りは“セルビアだから”と」

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前日22日の練習でランニングするFW浅野拓磨

 5年前のヒーローが、得点力不足の日本を変える準備を整えている。25日の国際親善・韓国戦(日産ス)を2日後に控え、日本代表FW浅野拓磨(パルチザン)は「全力で試合の準備をしていきたい」と静かな口調に闘志をにじませた。

 ライバルとの一戦で勝つために必要なこととしては「みんなが一緒に戦うこと」と、チームの一体感をポイントに挙げた。

 思い出すのは16年1月にカタールで開催されたリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(AFC U-23選手権)だ。浅野は決勝の韓国戦で2得点の活躍を見せ、タイトル奪取に貢献した。1点目はこのままでは負けるという試合の流れを一変させたゴール。0-2で迎えた後半15分に途中出場でピッチに立つと、その7分後にMF矢島慎也のスルーパスに反応し、反撃の狼煙となるゴールを決めた。2-2と追いついたあとの後半36分にはGKとの1対1を制し、3-2とする決勝ゴール。U-23日本代表をアジアの頂点へ導く大活躍だった。

「2点を先に取られたけど、あきらめずに戦えた。全員が同じ方向を向いて戦えたことが逆転につながった。“一つのチームになることによって、こんなにうまくいくことがあるんや”という経験をできた」

 セルビアリーグ2年目の今季は、プロサッカー人生最大のゴールラッシュを演じている。ここまでリーグ戦で16得点、カップ戦でも3得点を挙げ、2試合に1得点以上のペースでゴール数を伸ばしている。パルチザンは公式戦18連勝中。浅野は公式戦3試合連続ゴール、得点ランキング2位での帰国となり、1年4か月ぶりとなる国内での代表戦に「日本の地で試合をできるのは特別なこと」と高ぶる表情を見せた。

 反骨心もある。「セルビアで結果が出ていても周りから“セルビアだから”という見られ方はあると思う。でも、ここでたくさん結果を残してステップアップにつなげるという気持ちになっている」。A代表が2連敗中の韓国戦でゴールを挙げ、宿敵撃破に貢献すれば、これ以上ないアピールになるはず。26歳になった快足ストライカーに期待が膨らむ。

(取材・文 矢内由美子)
●カタールW杯アジア2次予選特集ページ

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