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[MOM3568]米子北MF木村愛斗(3年)_左サイドのスプリントアタッカーが優位性確立する2ゴール

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前半12分、米子北高MF木村愛斗(7番)が先制ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.19 インターハイ準々決勝 神村学園高 1-3 米子北高 テクノポート福井総合公園芝生広場]

 早い段階で勝利を確実にしたのは、左MF木村愛斗(3年=FC.フェルボール愛知出身)の2得点があったからだ。前半12分、前線でロングフィードを受けると、ドリブルシュート。右に流れながらゴール左へ、うまく流し込んだ。

 それ以前に、右からのクロスをボレーシュートでミートし損ねたり、ヘディングシュートをGK正面に飛ばしたりとチャンスをふいにした場面もあり、米子北高(鳥取)の中村真吾監督は「始まって速攻で2回くらい(外して)また今日もかと思った」と天を仰いだが「一番、声を出す」(中村監督)サイドの元気印は勢いを失わなかった。

 自慢の武器は、スプリント。堅守速攻の米子北のプレースタイルでは、サイドMFは守備でも重要だ。まずは守備から入るが、何度もゴール前まで駆け上がった。木村は「試合前からやってやろうという気持ちはあったんですけど、最初の1本目でシュートを外して、いつもだったら落ち込むんですけど、『心を動かすな』とずっと言われていて、決め切れたので良かったです」と先制点を振り返った。さらに前半30分、左CKの折り返しをゴール前で詰めて2連続得点。勝利にぐっと近づいた。

 中村監督によれば、昨年に比べると前線はパワー不足の印象だという。その分、得点力は両サイドMFが補う役を担う。木村もまだ後半のパワーの持続などに課題はあるが、前半からギアを全開にして襲い掛かるスプリントで相手に脅威を与える。

「1回戦から(勝ち上がって)自信が付いてきた。ドリブルは全国でも通用すると思うので、積極的に仕掛けようと思います」と貴重な経験を積み、変わってきている面もある。ドリブルは得意で、試合前は、三笘薫(川崎F→ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)のドリブル、シュートの動画を見てイメージを作っているという。

 守備面は、チーム全体で向上。後方でブロックを組んで守るだけでなく、前から奪いに行くプレッシングも併用できるようになってきた。特にサイドは、プレスのスイッチになることも多く重要なポジションだが、ボランチやサイドバックとの連係が深まっている感覚があるという木村は「ブロックからハイプレスへの切り替えはできていたと思う」と自信を示した。

 攻守両面でスプリント力を生かし、チームに貢献する。21日の準決勝は、星稜高(石川)との対戦。実績十分の相手に挑みかかる。「背後にいる選手の気持ちを考えろと常に言われている。米子に残っている人たちや、応援してくれる人たちのために走って頑張りたい」と意気込んだ。連続ゴールでチームを決勝戦へ導くため、再びゴール前へスプリントをかけるつもりだ。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2021

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