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先発7人下級生の愛媛U-18が0-2から一時同点。静岡学園に惜敗も印象的な戦い

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後半11分、愛媛FC U-18FW梶原彗汰が右足PKを決めて同点

[12.12 高円宮杯プレミアリーグプレーオフCブロック決勝 静岡学園高 3-2(延長)愛媛U-18 バルコム]

 愛媛FC U-18(四国2)の北内耕成監督は、好勝負を演じた選手たちを勝たせてあげられなかったことをとても残念がっていた。対戦した静岡学園高はJリーグ内定者4人を擁し、15勝1敗の成績でプリンスリーグ東海優勝。インターハイでも3位に入っている強豪校だ。対して、愛媛U-18はプリンスリーグ四国2位。今年は下級生が先発の半数以上を占めていることもあって前評判が高かった訳ではない。

 だが、下級生7人が先発した愛媛U-18は序盤からハイプレスで真っ向勝負。プリンスリーグ四国と同じようなボールを握っての戦いはできなかったが、それでも強度の高い守備でボールを奪い取ると、正確な1タッチパスで切り替え速い静岡学園の守りを剥がしてオープン攻撃に繋げていた。

 前半終了間際に2失点目を喫し、苦しい展開となったものの、0-2から逆転したこともあるチームは指揮官の檄も力に追いついて見せる。後半、選手の立ち位置を変えていたことも功を奏し、8分にカウンターからMF行友翔哉(2年)が左足で追撃ゴール。さらに11分には、行友が獲得したPKをFW梶原彗汰(3年)が右足で決めて同点に追いつく。

 トップチーム昇格内定の195cmGK黒川雷平(3年)やCB浅井一希(3年)、MF日野壱柊(3年)に支えられる形で下級生たちが奮闘。同点後もハードワークを続け、勝ち越しのチャンスも作り出していた。

 そして、2-2で突入した延長戦でも先に決定機を迎えていたが、決め切れず、体力的にキツくなった延長後半に失点して惜敗。もちろんプレミアリーグ復帰を目指して戦っていただけに悔しさはある。それでも、北内監督は「0-2から追いついたというのは彼たちが頑張ってくれた。素晴らしいゲームをしてくれた」と選手たちに感謝していた。

 紙一重の勝負で敗戦。北内監督は「育成の年代はサッカーだけじゃない。プロ目指すためには練習だけじゃなくて日頃の生活もそうですし、学校生活もそうですし、見つめ直していかないといけない」と選手たちが惜敗を糧にすることを期待する。

 そして、トップチームへ昇格する黒川へ向けては「この悔しさは上でぶつけて欲しいし、『雷平が行ったら次は自分たちだ』と1、2年生は思っていると思うし、この経験を活かして上を目指して行って欲しい」とエール。存在感ある動きを見せた10番MF伊井涼馬(2年)ら下級生は、トップチーム昇格とプレミアリーグ昇格も目指して努力を重ねる。
 
(取材・文 吉田太郎)
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