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中高先輩FW安部裕葵の背中追う瀬戸内MF浦岡龍之介。期待のドリブラーは「2枚3枚どんどんかわせる選手に」

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瀬戸内高の左サイドでチャンスを創出していたMF浦岡龍之介

[3.13 中国高校新人大会準々決勝 瀬戸内高 0-1 岡山学芸館高]

 瀬戸内高は昨年、広島県内で公式戦無敗。夏冬の全国大会はいずれもPK戦で早期敗退に終わったが、全国的に見ても好チームの一つだった。ともにU-17日本高校選抜に選出されているMF江川楓(2年)とFW澤田佳憲(2年)を残してスタートした新チームも、中国高校新人大会で個々の技術力の高さを表現。岡山学芸館高戦では1年生中心に構成されたDFラインの奮闘も光った。

 岡山学芸館とのボールの握り合い、決定機の数でも上回っていたものの、決め切ることができずに0-1で惜敗。前半から左サイドの突破口となっていたMF浦岡龍之介(2年)は、後半13分にGKとの1対1もあっただけに「少ないチャンスをしっかりものにできる選手になれていない」と首を振る。

 そして、「学芸館は岡山1位で、岡山の中でも強豪ですし、そういう高いレベルの相手に対してまだドリブルで抜けていないですし、2枚3枚どんどんかわせる選手になりたい」と誓っていた。

 この日は試合開始直後に個で左サイドを攻略。他にもカットインからシュートを撃ち込むなど相手にとって怖い存在になっていた。だが、「まだ行けました。仕掛ける回数自体も少なかったので。成功率は悪くなかったんですけれども、仕掛ける本数をもっと増やしていけたら」と満足していない。

 瀬戸内はGK、DFラインからボールを繋いで主導権を握るサッカーを展開。清岡はそのチームに自分がアクセントを加える考えだ。「サイド突破やチャンスメーク。ビルドアップにも限界があると思うので、詰まった時の個人技での打開だったり、攻撃にスピードをつけられるという意味では重要な役割だと思っている。チームを一発で変えられる選手になりたい」。田中健二郎監督からの期待値も大きい。

 選手権1回戦の尚志高戦では0-0の勝負どころで投入。ただし、現状については「僕らのサッカーだと両サイドの突破力が重要。もうちょっとやってくれないと」。突破力に加え、ゴールを決め切る力も必要。清岡はその期待に応え、中高の先輩のような活躍を目指していく。

 清岡は小学生時代にエスパニョールのカンテラへ練習参加し、ドリブルに目覚めたという。中学生時代は東京のST.F.Cでプレー。同クラブから瀬戸内を経て鹿島入りしたFW安部裕葵(現バルセロナ)は中高の先輩だ。進路を考える上で自立したいという思い、また安部の存在もあり、広島の強豪へ進学を決めた。

「安部選手はプレースタイルが似ている。大舞台で活躍している先輩の一人なので、いずれ追い抜いていかないといけない存在だと思います」。瀬戸内でメンタル面も、技術面も向上していることを実感。将来のプロ入りを掲げるドリブラーは22年シーズンに活躍を続けて先輩の背中に近づく。
 
(取材・文 吉田太郎)

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