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[J-VILLAGE CUP U18]しなやかさと推進力が魅力。履正社DF西坂斗和はブレイク中のライバルを上回り、「プロ」へ

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履正社高の注目DF西坂斗和が相手ボールを奪い取る

[3.21 J-VILLAGE CUP U18決勝 U-17日本高校選抜 2-0 履正社高 Jヴィレッジスタジアム]

「やっぱり同じチームの名願(斗哉)とかいて、負けたくなかった。選ばれなくて悔しくて、倒したいという気持ちがありました」。履正社高(大阪)の左WB西坂斗和(2年=STFC.Partida出身)は、強い気持ちを持ってU-17日本高校選抜に挑戦していた。

 西坂は昨年、強豪・履正社の先発に定着。8月にはU-17日本代表に初招集され、「HiFA 平和祈念 2021 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」に出場している左SBだ。U-17日本代表でも通用したという縦への推進力としなやかさは要注目。だが、昨年は全国出場に貢献できず、チームメートのMF名願斗哉(2年)がU-17日本高校選抜入りする中、自身は選ばれることができなかった。

 その悔しさをぶつけるべく臨んだU-17日本高校選抜戦。西坂は前半、MF田原瑠衣(大津高2年)と対峙した。「利き足が左って分かっていたのでなるべく中を切るように意識していました」。ドリブルで運ばれるシーンなどがあった一方、カットインからの左足シュートを警戒しながら、懐に潜り込むようにしてのインターセプトも。U-17高校選抜から幾度かボールを奪い取っていた。

 特に守備面で履正社が健闘する要因になっていたが、後半立ち上がりにコンビネーションで背後を突かれて失点。攻撃面では試合終盤に切れ味鋭い突破からシュートを放ったが、「今日は昨日とかに比べたら起点になれなくて悔しかったです」。試合も0-2で敗れ、悔しさを晴らすことはできなかった。

 チーム内のライバルである名願は、昨年の選手権予選でブレイクし、U-17日本高校選抜でさらに脚光を浴びている。その名願同様、西坂もしなやかな動きが印象的なプレーヤーだ。平野直樹監督は「(左サイドに名願と西坂の)2人が入ると面白いスピード。(2人ともにスピード、しなやかさが武器だが、)しなやかな体作りはテーマで 背中をしっかり作ろうとやっている」。西坂はチームでの強化に加え、自宅でもチューブトレーニングしているという。今後に注目のDFは、代表で課題として痛感し、改善に取り組んできた守備の強度や技術をより高めて、評価を高める。

 今年の目標について、西坂は「去年まで一緒にしていた(主力ボランチの)MF森川楓大(2年)が怪我であと6か月くらいできない。いない中でもチームが勝って、楓大のためにも頑張って行って、プレミアで上位を狙いたいです」と意気込んだ。昨年、U-17日本代表でともにプレーし、C大阪でブレイク中にMF北野颯太(2年)の存在も刺激に。北野や名願に負けずに成長を続け、「プロを目指したい」という目標に挑戦する。
 
(取材・文 吉田太郎)

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