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パリ世代の快速ドリブラーが待望J初先発! 大宮20歳FW高田颯也「ボールが行ったら絶対に突破してくれるという信頼を」

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大宮アルディージャFW高田颯也

[4.9 J2第9節 大宮1-3甲府 NACK]

 大宮アルディージャFW高田颯也がプロ3年目で待望のJリーグ初先発を果たした。かつて大宮U18で圧倒的なスピードと突破力を活かして攻撃の軸を担い、世代別代表にも選出された経験を持つ20歳。苦境に陥るチームを勝利に導く活躍こそできなかったが、90分間フル出場で確固たるストロングポイントを見せつけた。

 2001年生まれでパリ五輪世代にあたる高田は2020年、大宮U18からトップチームに昇格。ルーキーイヤーから13試合に途中出場するなど、クラブの期待を感じさせたが、J2残留争いに陥った昨季はベンチスタートから4試合の出場にとどまり、トップチームでなかなか存在感を発揮することができていなかった。

 それでも3年目の今季、5試合の途中出場でアピールすると、第9節にして待ちに待った先発出場のチャンスが到来。J2リーグ唯一の開幕8試合連続未勝利が続く中、霜田正浩監督は「毎試合ちょっとずつ、ちょっとずつ意識の変化とプレーの変化が出てきていた」という20歳を右ウイングで送り出した。

 高田も気合十分だった。「いつでも準備はしていた。チームがここまで勝てていない状況で、これまで途中から出ていて点を取らないといけないのに取れてなくて、そこで霜さんからチャンスをもらえて、すごくありがたかった。絶対にチームの勝利に貢献しようという気持ちで臨んだ」という言葉どおり、立ち上がりから独特のリズムのボールタッチを連発。やや後傾姿勢となった甲府守備陣を苦しめていた。

 そうして迎えた前半18分、チームの先制点も、高田の積極的なクロスから獲得した右CKから生まれた。「自分の特長は背後への抜け出しとドリブルで、その部分はどんどん仕掛けていけというのは監督から言われていた」。そんな高田に対しては指揮官も「ああいう選手を育てないといけない。育てている余裕はないが、実戦の中で使って、いいプレーもしてくれたし、ああいう選手が戦力になってくれることが現時点での大宮に必要なパワーになる」と手応えを語った。

 もっとも、チームは1-3で敗戦。後半の序盤まではゴール前での決定的なシュートを放つなど、相手の脅威となっていた高田だが、時間が経つにつれて存在感は薄れていった。「自分としては左サイドでボールを持っているときにサイドに入って、いつでも背後やチェンジサイドが来たら突破する準備はできていた」と振り返りつつ、今後への課題を語った。

「なかなかボールが来なかったので、もっと呼び込まないといけないというのと、自分のところにボールが行ったら絶対に突破してくれるという信頼がもっと得られたらもっとボールが来ると思うので、そこはもっとやっていかないといけない」

 とはいえプロ入り初先発でのフル出場は大きな一歩。チームが陥る苦境を打破すべく、生え抜きの20歳は燃えている。「チームが非常に苦しい状況で、自分も責任を感じている」と危機感をのぞかせた高田は「非常に苦しいし、監督やキャプテンのミカさん(MF三門雄大)が声をかけてくださっている。ベテランの選手だけでなく、自分のような若い選手がフレッシュな部分や勢いでチームを引っ張っていかないといけない。若い選手がもっと押し上げていかないといけない」と宣言。今後のチームを背負っていく気概を見せた。

(取材・文 竹内達也)
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