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代表選外続いた鎌田大地に森保監督「彼が持つ能力をレベルが上がっても出せている」6月再招集か

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昨年10月の活動時、練習前に話し込む森保一監督とMF鎌田大地

 日本代表森保一監督が9日、報道陣のオンライン取材に応じ、カタールW杯アジア最終予選の終盤戦で招集外が続いていたMF鎌田大地(フランクフルト)について「チームとしても本人の役割としても求められることが変わってきたと思うし、その中で彼が選手として成長している」と期待を寄せた。

 鎌田は今季、フランクフルトで公式戦44試合に出場。今季から新たに就任したオリバー・グラスナー監督の下、ブンデスリーガで4ゴール3アシスト、決勝進出を果たしたUEFAヨーロッパリーグで5ゴール1アシストの結果を残している。一方、日本代表では4-3-3にシステムが変更した昨年10月のアジア最終予選第3戦のオーストラリア戦(○2-1)以降は序列が大きく低下。昨年11月のベトナム戦、オマーン戦には招集されたものの出番はなく、今年に入ってからは招集外が続いていた。

 もっとも森保監督は今年2月と4月に行っていたヨーロッパ視察の際、いずれの機会もフランクフルトを訪問するなど関心は示し続けていた。この日、鎌田に言及した指揮官は「もともと持っていた攻撃の能力をインテンシティ高くハードワークするという部分、上下動しながら技術を発揮していく部分は今季、監督が要求するレベルが上がったのかなと思っている。開幕当初よりも出場機会が増えているし、絶対に外せないというくらいのパフォーマンスを見せている。狭い局面であったり、相手とコンタクトしながらもボールを失わず、確実に攻撃につなげる部分、そんな彼が持つ能力をレベルが上がっても出せている」とあらためて高評価を送った。

 その上で「代表で(の状況)は総合的な部分があるが、二次予選の時までは彼を中心に攻撃の形がつくられ、困った時にはタメを作ってくれる拠り所だというくらいに彼の成長と持っているものを見させてもらった。しかし、最終予選になって一気にギアが上がった時に、彼の持っている攻撃の良さは上手く出せていなかったのかなと思っている。そういった部分では最終予選を戦う上で違った選択をしたほうがいいということで起用が変わった」と最終予選で招集外となった理由も明かした。

 それでも最近のパフォーマンスを受けて「どんなプレッシャーのかかった状況でも彼ができるという部分を日本代表でも発揮してもらえれば自然と彼の良さが出ると思う。チームの力になってもらえると思う」と手応えを得た様子。「攻撃的な選手なのでわれわれのコンセプトである切り替え、ハードワーク、局面を戦うといったところで上げてもらいたいところは以前はあったが、あくまでもそこのベースを持っている選手が代表に来ているので、良さを出してもらえるように次は関係づくりをしていきたい」と6月活動での再招集を示唆した。

 鎌田はELでの快進撃につながる大一番となったバルセロナ戦で、ホーム&アウェーともに存在感を発揮。いずれの試合も視察していた森保監督も「2試合とも大地が攻守ともにアクセントになっていた。相手にとって厄介な存在だったと思う」としつつ、「彼が持っている攻撃のクオリティの一つとして、ライン間に入って相手が守備しづらい、誰がついていいのかわからないというポジション取りをしながら起点になれる。そういうプレーはバルセロナの選手たちは嫌がっていたと思う」と高評価を送っていた。

 W杯本大会ではスペイン代表との対戦を控えている中、多くの中心選手が所属しており、システムも似ているバルセロナ相手に良いイメージを持っている鎌田の存在は不可欠か。本大会での活躍を果たすべく、まずは6月の4試合でテストされることになりそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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