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[MOM3950]丸岡DF山田健太(3年)_「相手が強ければ強いほど燃える」男が強力2トップをシャットアウト

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市立船橋攻撃陣に粘り強く対応した丸岡高DF山田健太(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.25 総体2回戦 市立船橋 0-1 丸岡 徳島スポーツビレッジピッチC]

「相手が強ければ強いほど燃える」。そう意気込む丸岡高(福井)の主将DF山田健太(3年)にとって、今大会の組み合わせほど有難いモノはない。1回戦で対戦した日大藤沢高(神奈川2)には、複数のJクラブが熱視線を送る198cmの大型ストライカー、FW森重陽介(3年)が在籍。前半14分に先制点を許したものの、「森重君はサイズがあって、キープしてくるので無理して飛び込まない」との対応が分かり、確かな手応えを得た。

 2回戦で対戦した市立船橋高(千葉)には、1年生からエースを務め、U-16日本代表にも選ばれるFW郡司璃来(2年)がいる。2トップを組むFW青垣翔(3年)も力強く、点取り屋としての怖さは十分。ただ、山田は「イチフナは9番(青垣)と10番(郡司)が特徴。そこを止めればチームが楽になるし、自分の価値も上がっていく。そこでやっぱり気合が入っていた」と振り返る。

「相手は攻撃が特徴のチームだと思うので、そこでいかに我慢して自分たちの持ち味を出していければと思っていました」と予想する中、前半から山田を中心とした丸岡の守備陣は、2トップに自由を与えない。この日の守備の狙いについて、山田はこう話す。「守備はまずファーストプレスをしっかりかけて、その後はしっかり後ろでケアしながら奪うのが仕事だと思っていた。前がまずファーストに行って、どんどん連続していくのは、どのチームが相手でもやっている。そこは上手く自分たちの形でプレスに行けたかなと思います」。DFラインを突破されそうになっても、粘り強く並走し、最後の局面ではスライディングで食い止める山田の姿は印象的だった。

 後半に入ってからは、対人守備と共にもう一つの武器である左右両足でのフィードでも魅せる。ボールを奪ってから、またはクリアボールを素早く市立船橋の背後に入れてチャンスも演出。攻守両面で勝利に貢献した山田は、「小関(晴人)と伊藤(大貴)はスピードがあるので、そこをどうチームとしてストロングにやっていけるかなと考えた。相手の一番嫌な所にどんどん入れていくと言うのをチームとして徹底できた」と口にする。

「対戦相手のFWには注目選手がいる。そこを止めれば評価が上がり、自分が目標としているプロに近付く。そこを意識して、今大会に挑んでいる」。そう意気込む山田にとって、要注目ストライカーを擁する関東の2校に勝てたのは自信に繋がる。3回戦で対戦する帝京高(東京1)にも、U-16日本代表候補の経験を持つJ注目のFW齊藤慈斗(3年)がいる。「今のチームは負ける気がしない。絶対に勝つ。齊藤君をゼロで抑えれば、チームと自分の評価が上がる。明日絶対に勝って、丸岡の名を少しでも多く広められるよう頑張りたい」と意気込む山田の活躍は、まだまだ続きそうだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

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