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決して番狂わせではない…市立船橋相手に“らしさ”発揮の丸岡、終盤決勝弾で難敵撃破!!

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終盤にFW伊藤大貴(10)が決勝点を奪い、丸岡高が歓喜の疾走

[7.25 総体2回戦 市立船橋 0-1 丸岡 徳島スポーツビレッジピッチC]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」のサッカー競技は25日に2回戦を実施。徳島スポーツビレッジCで行われた市立船橋高(千葉)と丸岡高(福井)の一戦は、後半34分に奪ったFW伊藤大貴(3年)のゴールによって、丸岡が1-0で勝利した。26日の3回戦では、帝京高(東京1)と対戦する。

 逆転勝利をおさめた前日の日大藤沢高(神奈川2)に続く、関東勢からの勝利。勝利の立役者となった伊藤は「関東勢に2つ勝ったのはデカい」と満面の笑みを浮かべたが、試合内容を見れば決して番狂わせではない。2試合通じて狙い通りの試合展開に持ち込んだ丸岡の強さを感じる一戦だった。

「夏のイチフナ」と小阪康弘監督が口にする通り、市立船橋が誇る9度のインターハイ優勝は全国最多。所属するリーグのカテゴリーも丸岡が県1部に対し、市立船橋はプレミアだ。「最初は本当に勝てるかな? という感じの気持ちで、今日は挑んだ」(伊藤)ものの、立ち上がりから拮抗した展開を続け、選手たちは時間の経過と共に自信を深めていく。

 キーとなったのは高い位置から連動した守備。前線からの守備でコースを制限し、ダブルボランチのMF奥村洋武(2年)とMF渡辺祥気(2年)が3列目で市立船橋のパスワークを分断する場面が多かった。「技術的な問題、判断、選択の悪さもあって、前半からパスを奪われる場面が多かった。成功しない、突破しきれない、シュートまでいけないシーンが凄く多かった」と反省を口にするのは市立船橋の波多秀吾監督だ。

 丸岡はそうした良い守備から素早く攻撃へと転じた。前半30分には右からのスローインを受けたDF山田健太(3年)からMF岡俊樹(3年)に繋いでシュート。同アディショナルタイムには自陣でのカットから、ロングフィードを入れると、FW小関晴人(3年)がドリブルからシュート。得点には至らなかったが、伊藤が「丸岡らしいゴール前での粘りが出せた。前半も自分たちらしく崩せて、決定機も作れていたので、これは行けるなと思いながらやっていた」と振り返る通り、手応えを掴むには十分な展開だった。

 後半の立ち上がりは、丸岡DFとボランチの間を上手く使い始めた市立船橋がチャンスを演出。後半10分にはMF渡邉慎和ムセマ(3年)のパスから、FW青垣翔(3年)がシュートもサイドネット。同11分には、MF北川礁(3年)が入れた縦パスからFW郡司璃来(2年)がシュート。ゴール前にこぼれた所をMF白土典汰(2年)が詰めたが、GK清水唯太(2年)に足でストップされた。

 両チームともに1点が遠い中、均衡が崩れたのは後半34分。左サイドのスローインから上がったクロスはファーに流れたものの、折り返しを伊藤がボレーで合わせて、丸岡が先制した。その後は上手く時間を使い、丸岡が逃げ切りに成功し、3回戦進出を達成した。

 3回戦で対戦するのは長年、選手権前に練習試合を行っている帝京高。「こういう場で帝京とできるのは嬉しい」と小阪監督は口にする。関東勢3連勝と共に狙うのは、近年の壁となっているベスト16の突破。選手権では18年と20年、インターハイでは19年と21年にベスト16まで進みながら、涙を飲んでいる。特に今年は昨年の負けを知る選手が多く、今年こそはという想いは強い。「昨年の夏に青森山田に負けてから、ベスト16を超えよう、先輩を絶対に越えようという目標でずっとやってきた。明日必ず勝って、16の壁を超えたいです」。そう意気込むのは主将の山田だ。この日同様、丸岡らしいサッカーができれば、壁を越えるのは十分可能だ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

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