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選手権予選敗退から高校選抜入り目指す宮市「もっともっと点を取れる選手に」

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[1.13 練習試合 日本高校選抜候補1-0日本体育大 駒沢]

 悔しい冬を過ごしてきたFW宮市剛(中京大中京2年)が2年連続の欧州遠征メンバー入りを果たす。昨年度の全国高校選手権で1年生ながら3得点を挙げて中京大中京(愛知)の8強進出に貢献した宮市だが、2年目の選手権は愛知県予選準々決勝でPK戦の末に敗退。国立進出の夢は来冬へ持ち越しとなった。それでも昨年、日本高校選抜に選出されたFWは全国大会出場を逃したにも関わらず、日本高校選抜欧州遠征メンバー候補として予備選考合宿に招集。現在はまだ1次選考の段階でまだまだメンバー入りへのアピールを続けていかなければならないが、再び欧州と相対するチャンスを得た。

 現在チームでは1トップを務めているが、この日の練習試合は「(昨年の)高校選抜以来」という右MFとしてプレー。力強いボールキープや打点の高いヘディングを見せた一方、右サイドから切れ込んだところでボールを失うなど、慣れないポジションで納得のいく結果を残すことはできなかった。それでも「ここはやっぱりレベル高いんで、自分にとっていい経験になると思います。ポジションは違えど、どんどんチャレンジしていかなくてはいけない。マッチアップした選手に負けないこと」と宮市。予備選考を突破し、2月に予定されている日本高校選抜候補合宿メンバーに選出されれば、対峙する選手に必ず勝って、アピールすることを誓った。

 前日12日は国立競技場で全国高校選手権準決勝を観戦。「羨ましかったですけど、見ていてレベルが高かったです。また来年までに、もっともっと国立を目指すという気持ちをひとつにして全員でやっていかなければいけない」と気を引き締めた。12年は個人としては日本高校選抜やU-17日本代表に選出されたが、全国高校総体、高校選手権でいずれも県大会で敗退し、一度も全国の舞台に立つことができなかった。ウィガンFW宮市亮を兄に持つストライカーは自身もJ数クラブが注目する逸材だが、もっと成長しなければならないと感じている。「昨年はインターハイも負けてどっちも全国を逃したので、勝ちに対する気持ちが足りなかったと思います。(選手権の)目標は全国出場で国立に行きたかった。その夢はかなわずやっぱりショックでしたけれど、切り替えていくしかなかったので、来年に向けてコツコツとやってきました」

 スタートを切ったばかりの13年は巻き返しの1年になる。「個人としてはFWなのでもっともっと点を取れる選手になっていかなければいけないと思う。(自分自身の武器は)高さはそうですけど、裏への抜け出しの仕方とか。あと、いろいろな人に言われるのは『背が高い割りには足元が柔らかい』ということ。もっとボールを受けて攻撃に関わって、足下の技術をもっともっと磨いていきたい」と誓った。そして「昨年は自分も全国に出られず、兄(宮市亮)もケガに苦しんだ。今年は2人で頑張ります」。今年は結果にこだわって、もう一度「宮市剛」の名を全国に轟かせる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2012

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