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インハイ優秀選手の星稜MF前田一勇がビッグプレー。“裏街道”でGKかわし、流れ傾ける一撃

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前半31分、星稜高MF前田一勇がGKをかわして2点目のゴール

[10.30 選手権石川県予選準決勝 星稜高 5-2 遊学館高 金沢市民]

 先制こそしたものの、その後は迫力のある攻撃を続けながら遊学館高の強度高い守備に跳ね返され、カウンター攻撃も受けていた。加えて、左SB山田凌平(3年)が負傷退場。暗雲が漂い始めていたが、MF前田一勇(3年=グランパスみよしFC)がビッグプレーで星稜高に流れを傾けた。

 前半31分、前田は左サイドでのスプリントで相手にプレッシャーを掛けると、バックパスを一気にインターセプト。GKが飛び出してきていたが、前田はその右側へボールを転がし、逆側からGKを抜き去る。そして、カバーのDFよりも速く右足を振り抜き、2-0とした。

 自らボールを奪い、得意とする“裏街道”でのゴール。前田は「いつも自分が狙っている形なので。スピードでは負けないと思っていますし、普段やっている形なので。いつもかっさらう時に長い距離走る。そこは自信になっています」。50m走5秒9の前田は、小学生時代から“裏街道”にチャレンジしていたという。

「小学校の頃にやり出して、行けるなと思って。高校では1年の時はあまりやっていなかったんですけれども、(上級生になってスピードも増して)また行けるなと」。抜群のスプリント力によって試合の主導権を引き寄せた前田は、もう一つの武器であるプレースキックでもゴールをもたらした。

 前半34分に右FKをCB井上陽向大(3年)にピタリと合わせてアシスト。36分には前田のFKのこぼれから4点目のゴールが生まれた。「(プレースキックは)何本か納得行かないのもあったんですけれども、そこは仲間が決めてくれると信じていました」。加えて、前田は後半15分の得点も演出し、4得点に絡む活躍。決勝進出に大きく貢献した。

 インターハイでは3得点をマークし、大会優秀選手に選出された。「最初は全国で通用するかなと不安だったんですけれども、実際に優秀選手に選ばれて自分も全国で戦えるんだと自信になりました。3点も決められるとは思っていなくて……。スピードのところや点を決めるところは自信がつきました」と振り返る。

 スピードとコンタクトの強さ、馬力を活かした動きは全国クラス。自信を持って選手権に臨んでいる強力アタッカーは「得点王は狙いたいです。(得点への)気持ちは誰よりも強いです」。この日のように攻守両面でのスピードやキックという強みを発揮し、星稜にゴールをもたらし続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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