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“堅守”の矢板中央は攻撃陣の台頭で競争激化…10番MF星景虎は「矢板SC」一期生の誇りを胸に

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[11.13 高校選手権栃木県予選決勝 矢板中央1-0佐野日大 栃木グ]

 伝統の堅守を誇る矢板中央高は選手権に向けて、FW陣が台頭している。

 2年連続で選手権3位と躍進を遂げているが、準決勝では過去4度とも(09、17、19、20年度)得点を奪えていない。“4強超え”を目指す今年度は攻撃面の進化を目標に掲げ、「失点をゼロにしながら攻撃力を上げていくのがテーマ」と高橋健二監督。「練習試合も含めて、ここにきて出てきた選手たちがいる。攻撃のパターンができてきた。切磋琢磨してレギュラー争いをしてきたい」と競争激化を喜んだ。

 昨年度からレギュラーを務めるMF星景虎(3年)やMF唐橋玖生(3年)は切れ味を増すアタッカー。ポストプレーの貢献度が高い186cmの長身FW林廉斗(3年)やMF黒澤光成(3年)、FW久野木力丸(3年)も昨年度選手権のピッチに立っているが、経験のある顔ぶれに加え、FW陣が伸びている。

 その筆頭として、成長著しいFW藤野和哉(3年)は栃木決勝で殊勲の決勝点を挙げるなど、予選4試合連発で計6ゴールと躍動した。「得点感覚、シュートは非凡なものがある。ウチのエースですね」と高橋監督も期待を寄せる素材だ。また、FW小森雄斗(3年)は途中出場ながら予選計3ゴールを挙げ、決定力の高さを示した期待のスーパーサブ。スピードと推進力があり、ロングスロワーとしても脅威になる。技巧派レフティーのFW片岡駿太(3年)も途中出場で攻撃にアクセントを加えており、競争は激化している。

 その中で、10番を託されている星は「今年は自分たちのチームの色として、個人技がある。自分たちの色を出せるチームになれるように練習してきました」。1年生から選手権を経験している星の武器といえば、パンチ力のある強烈なシュート。攻守に強度を上げており、栃木予選では鋭いドリブルで守備網を破って決定的な形に持ち込めば、得点にもつなげていた。

 星は矢板中央高の中学年代の系列組織である「矢板SC」の一期生。後輩たちに背中を見せるという自覚を持って、3年間を過ごしてきた。

「一期生なので、自分の姿を見て矢板中央に入ってきてくれる後輩、憧れを持ってサッカーを始めてくれる子がいればいいなと思う。そういうところで誇りを持ってサッカーをできているし、自分には責任があるのかなと思っています」。選手権100回大会での日本一は入学前から掲げていた目標。「ゴールを獲ってチームを勝たせられるようにしたい」と意欲を燃やす。

(取材・文 佐藤亜希子)
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