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青森山田ゴールに突き刺した同点のスーパーFK弾!八戸学院野辺地西CB高木和は1年後の勝利誓う

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後半15分、八戸学院野辺地西高CB高木和(2年=ウインズFC出身)が右足FKを決めて同点

[11.6 選手権青森県予選決勝 青森山田高 2-1(延長)八戸学院野辺地西高 カクスタ]

 王者の牙城を揺るがすスーパーゴールだった。八戸学院野辺地西高は0-1の後半15分、敵陣左中間、PAわずかに外側の位置でFKを獲得。キッカーの2年生CB高木和(ウインズFC出身)が右足を振り抜くと、ライナー性の一撃がゴール右上隅に突き刺さった。

 青森山田高の黒田剛監督も「かなり精度の高い、素晴らしいFKだった」と称賛した一撃。高木は「GKがニアを警戒してくるなと思ったので、近かったし、ファー蹴れば入るかなと思ったので。これまで練習してきたので、それを精一杯、自信持って蹴った結果だったと思います」と頷いた。

 これまでも公式戦、練習試合で蹴ってきたが、決めたのは練習試合の1度くらいだという。だが、「本当にFKは誰よりも練習してきたと思っている。この決勝という大舞台で決めることだけを考えて思い切り蹴った感じです」。練習の成果を宿敵との大一番で発揮。拳を突き上げたままチームメートの下へ駆け寄り、大きな、大きな1点を喜んだ。

「みんなが信頼してボクに蹴らせてくれたからあのゴールに繋がったと思うし、信頼してくれた仲間に感謝したいです」。このゴールで勢いづいたチームは、積極的な戦いで前回大会日本一の青森山田と渡り合う。

 80分間を1-1で終了。延長戦でも八学野辺地西の選手たちは食い下がり、攻め返して会場を沸かせる。だが、延長後半8分、警戒していた相手エースFW小湊絆(3年)に決められ、1-2で敗れた。「去年の新人戦から10番(小湊)を止めるために毎日妥協せずにやってきたのに最後やられたのは悔しいです」。何より、3年生が全国へ行くための力になれなかったことを悔しがった。

「(3年生は)全てをここに掛けてこれまで一緒に練習してきたし、それの手助けをしてあげられなかったのは本当に悔しいです。延長までせっかく行ったのに最後勝ち切れなかったという悔しさだけが残る試合でした。たくさんの人が応援してくれただけに申し訳ないな、歴史を変えられなかったな、という思いが強いです」

 そして、誓った1年後の勝利。「勝てなかった悔しさが大きい。決めたからどうということじゃなくて、最終的には来年の選手権で全国出れるように本当に頑張るだけです。もういつでも倒せる時が来ているので、辛いこと、辛い練習乗り越えて、チーム一丸となってその勝ちを掴みに行けるように頑張ります」。青森山田に勝つことの難しさを改めて実感。今年以上の1年を過ごし、来年こそ笑顔で決勝戦を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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