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[MOM4093]星稜MF宮前匠真(3年)_双子の兄は金沢U-18へ昇格、自身は高校サッカーの道へ…悔しさをバネに磨いたドリブルで躍動

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星稜高のドリブラー・MF宮前匠真

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.6 選手権石川県予選決勝 星稜高 4-1 鵬学園高 西部緑地公園陸上競技場]

 今から3年前、MF宮前匠真(3年=金沢U-15津幡)は岐路に立っていた。双子の兄・宮前享真とともに金沢U-15津幡でプレーしていたが、自分だけが昇格を逃す結果に。だが、そこから星稜高の門を叩き、一回りも二回りも成長して今予選ではアシスト王に輝くまでに成長を遂げた。

 決勝の相手は鵬学園高。力は互角で一つのミスが勝負を分ける。実際に立ち上がりから激しい攻防が続き、先制点が勝負の趨勢を左右する展開だった。その中で迎えた前半6分。宮前は最初のチャンスを見逃さなかった。最終ラインの背後にボールが抜けると、キャプテンのFW山下陸(3年)が泥臭くゴール前にボールを運ぶ。左サイドハーフの位置からフォローに入ると、こぼれ球を拾って冷静に右足でネットを揺らした。さらに3分後には高校に入って磨きをかけてきたキックで魅せる。左CKからCB猿楽侑也(3年)のゴールを演出し、試合の流れを引き寄せた。

 以降も積極的に仕掛け、得意のキックから好機に絡む。一瞬のスピードで相手を剥がしてクロスを入れるだけではなく、カットインからもゴールに迫る。最後まで運動量は落ちず、ロングスプリントから相手の背後を突く場面も少なくなかった。

 大舞台での活躍に本人も思わず笑顔が溢れる。「昇格ができなくて星稜に来たけど、そこで落ちずに頑張って、決勝の舞台で結果を残せたので良かった」と振り返り、3年間の努力が身を結んだことに充実感を漂わせた。

 もちろん、昇格を逃した瞬間は落ち込み、「お兄ちゃんだけ昇格したので最初は悔しかった」。しかし、下を向いている暇はない。「高校サッカーの舞台でやってみたい想いもあったので、気持ちはすぐに切り替えられた」。そこから星稜では努力を重ね、走り込んだ成果が徐々に現れる。「比べられたりすることがあったはずで、双子の難しさもあった」(河合伸幸監督)が、スピードが増し、持久力もチームでNo1になるほどまでに成長。キックも地道に蹴り込んで精度が増し、最終学年となった今季はプレースキッカーを任されるまでになった。

 卒業後もサッカーを続ける予定で、強豪大への進学を視野に入れている。星稜で磨いてきた突破力をさらに成長させられれば、大学経由でのプロ入りも不可能ではない。三笘薫を目標に掲げるドリブラーは最後の選手権でチームを勝利に導き、日本一という夢を叶えて次のステージに向かうつもりだ。
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(取材・文 松尾祐希)

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