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鹿児島実の1年生CB吉村太希が攻守に存在感。強敵との決勝乗り越えて「この代で」全国、そして代表へ

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鹿児島実高の1年生CB吉村太希(FC KAJITSU出身)は攻守両面で存在感のある動き

[11.11 選手権鹿児島県予選準決勝 鹿児島実高 2-1(延長)鹿児島城西高 白波スタ]

 森下和哉監督が「ヘディングは全国出てもそうそう負けることはないと思う」と認める1年生ストッパーが、攻守両面で存在感を放った。鹿児島実高の185cmCB吉村太希(1年=FC KAJITSU出身)は、前への強さや空中戦での強さ、そしてカバーリング力を発揮。前半は全校応援による緊張もあったというが、自信を持つ左右両足からのフィードでチャンスの起点にもなっていた。

 インターハイ予選で敗れた鹿児島城西高とのリベンジマッチ。当時は後半に相手エースFW前田隼希(3年)に2ゴールを許して惜敗していた。だが、この日は「相手の9番(前田)は決定力があるので抑えられて良かった。インハイは9番にやられていて、きょうはあまりさせなかったと思います」。高校進学からの半年間でメンタルの部分と対人の部分で成長したという吉村は、先輩任せにするのではなく、自分のやるべきことをやり通して延長勝利に貢献した。

 この日はU-16日本代表の森山佳郎監督が来場。同じ1年生CBの神村学園高DF鈴木悠仁がU-16日本代表候補に選ばれたことが刺激になっている。「同じ年の神村のCBが代表に入って悔しかったので、『もっとやってやろう』と思いました」。また、神村学園のFW名和田我空(1年)と左SB吉永夢希(2年)はAFC U17選手権予選メンバーとしてアジアと戦った。自分もアピールを続けて彼ら同様、代表に食い込むことを目指している。

 背後のボールへの対応や、ビルドアップの部分などまだまだ課題もあるが、ポテンシャルは十分。U-16代表組や、ボルシアMG(ドイツ)入りを決めた高校最強FW福田師王(3年)のいる神村学園を決勝で封じれば、評価が高まることは間違いない。

「とても楽しみです。(福田は)人間じゃないプレーしてくるので、対応して、無失点で終えて優勝できるようにしたい。自分、1年生ですけれども、この代で行って来年も再来年も行けるように頑張りたい」。鹿児島実の下部組織であるFC KAJITSU出身。赤の新星が強敵を封じてチームと自身をより高いステージに引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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